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域
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いき
ふりがな文庫
“
域
(
いき
)” の例文
だから津田は手もなくこの叔父に育て上げられたようなものであった。したがって二人の関係は普通の叔父
甥
(
おい
)
の
域
(
いき
)
を通り越していた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とにかくその
初
(
はじ
)
めは切
實
(
じつ
)
な人間生
活
(
くわつ
)
の
慰樂
(
いらく
)
として
遊
(
あそ
)
びとして
創
(
つく
)
り成された
將棋
(
せうき
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ふが、それを
慰樂
(
いらく
)
や
遊
(
あそ
)
びの
域
(
いき
)
を遙に
越
(
こ
)
えて
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
要するに、いくら城持となっても、
眷族
(
けんぞく
)
や家臣がふえてきても、彼は依然たる猛将の
域
(
いき
)
から一歩も出ていないところがあった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神変夢想流
(
しんぺんむそうりゅう
)
において、もっとも重くかつ、もっとも到りがたしとなっている
忘人没我
(
ぼうじんぼつが
)
の
域
(
いき
)
に、今宵の栄三郎は期せずして達しているのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
二人はその後月を重ね年を経ても一向この遊戯を中止する模様がなかったかえって二三年後には教える方も教えられる方も次第に遊戯の
域
(
いき
)
を脱して
真剣
(
しんけん
)
になった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
隨
(
したが
)
つて
地震動
(
ぢしんどう
)
の
性質
(
せいしつ
)
、
地震
(
ぢしん
)
に
損傷
(
そんしよう
)
しない
土木工事
(
どぼくこうじ
)
や、
建築
(
けんちく
)
の
仕方
(
しかた
)
等
(
とう
)
についての
研究
(
けんきゆう
)
が
非常
(
ひじよう
)
に
進
(
すゝ
)
み、
木造
(
もくぞう
)
竝
(
ならび
)
に
西洋風
(
せいようふう
)
の
家屋
(
かおく
)
につき
耐震構造法
(
たいしんこうぞうほう
)
など
殆
(
ほと
)
んど
完全
(
かんぜん
)
の
域
(
いき
)
に
進
(
すゝ
)
んだ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
兎に角部分的には
最早
(
もう
)
偕白髪
(
ともしらが
)
と云う
域
(
いき
)
に達した訳である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いよいよ
明日
(
あす
)
は
卍
(
まんじ
)
丸が出るという今宵。お船蔵の混雑にまぎれて、大胆にも、この下屋敷の
域
(
いき
)
まで足を踏み入れてきた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕の考では人間が絶対の
域
(
いき
)
に
入
(
い
)
るには、ただ二つの道があるばかりで、その二つの道とは芸術と恋だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
按
(
あん
)
ずるに春琴の稽古振りが鞭撻の
域
(
いき
)
を通り
越
(
こ
)
して往々意地の悪い
折檻
(
せっかん
)
に発展し
嗜虐
(
しぎゃく
)
的
色彩
(
しきさい
)
をまで帯びるに至ったのは幾分か名人意識も手伝っていたのであろうすなわちそれを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
もちろん、実戦でもその
域
(
いき
)
を越えてはならん。——はや高ノ師泰を
先鋒
(
せんぽう
)
にやったそうだが、その師泰の軍勢にも、三河の
矢矧
(
やはぎ
)
から西へは進み出るなと固くいましめておけ。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうした意味から見ると、彼女はありふれたしっかりものの
域
(
いき
)
を
遥
(
はるか
)
に通り越していた。あの落ちつき、あの品位、あの
寡黙
(
かもく
)
、誰が評しても彼女はしっかりし過ぎたものに違いなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なんで慈円僧正のような人がそんな愚をなそうか、僧正はすでに
珠
(
たま
)
である、明朗と苦悩の
域
(
いき
)
をとうに
蝉脱
(
せんだつ
)
した人格は、うしろから見ても、横から見ても、「禁慾の珠玉」そのものである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聞説
(
きくならく
)
、曹丞相は、文を読んでは、孔孟の道も明らかにし得ず、武を以ては、
孫呉
(
そんご
)
の
域
(
いき
)
にいたらず、要するに、文武のどちらも中途半端で、ただ
取得
(
とりえ
)
は、
覇道強権
(
はどうきょうけん
)
を徹底的にやりきる信念だけであると。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安住の
域
(
いき
)
でもありません。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“域”の意味
《名詞》
(いき)ある特定の範囲・境地・程度。
(出典:Wiktionary)
域
常用漢字
小6
部首:⼟
11画
“域”を含む語句
領域
流域
塋域
西域
区域
區域
地域
大唐西域記
畛域
異域
寺域
日域
疆域
霊域
識域下
鹿域
西域夷蛮地帯
耆域
禹域
瑩域
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