がた)” の例文
いろんな種類の鳥がいましたが、ニールスの知っているのはガンだけでした。ガンのむれは、クサビがたに長いれつをつくって、飛んでいました。
話をしてくれた人の友達に某甲なにがしという男があった。その男は極めて普通人がたの出来の好いほうで、晩学ではあったが大学も二年生まで漕ぎ付けた。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
日本につぽん最初さいしよつくられた銅器どうきまへよりははゞひろどうつるぎほこるいでありまして、そのひとつはくりすがたといふつるぎで、このつるぎはつばにあたるところがなゝめにまがつてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
まもなく、海潮うみしおけむるかなたの沖に長崎がた呉服船ごふくぶね紅帆船こうはんせんの影らしいのが、だんだん近く見えはじめる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じやうに外套に包まれてゐるが鋪石しきいしの上にカツ/\と鳴つたのは拍車をつけた靴の音です。そして見るとホテルのアアチがたの正門を通つて行くのは帽子を被つた頭なんです。
彼はがたの、顔色のどす黒い、そして今時金縁きんぶち眼鏡をかけているという人物だった。
密林荘事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そんな心配のない婦人は、今にむかしのがたをそのまゝに右から左へ襟を合はせてゐる。
川口が、気がちがったようにつき出したうでにみちびかれて、沖に目をうつすと、はるか水平線のあなたに、とても小さいが、くっきりと、スクーナーがた帆船はんせんの帆が見えるではないか。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
この花は黒朱子くろじゅすででもこしらえたわりがたのコップのように見えますが、その黒いのは、たとえば葡萄酒ぶどうしゅが黒く見えると同じです。この花の下を始終しじゅうったり来たりするありに私はたずねます。
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ある群は千鳥がたして、またるはくがの方向き、またるはちりちりと散り、すれすれにるは落ちつつ、波の上驚きて飛び、時に消え、時に明り、いよいよに暗く恐れて、いよいよにさをまりて
それでもマサカと思いながら今のソーセージの切口をよく見ると、薄桃色の肉の間に何だか白い三角がたのものが挟まっているようです。ハテナと思い思いホジクリ出してみると、そいつがどうです。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
プデンがた 夏付録 台所道具の図
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
タイシャクシギのかぎがたをしたくちばしが、アシのあいだからのぞいていますし、モグリドリは首のまわりに新しい毛なみをみせて、しずかにおよぎまわっています。
またこのかんにはーとがたなどのこまかいかざりがぶらさがつてゐる、立派りつぱ耳飾みゝかざりが時々とき/″\ることがありますが、これは南朝鮮みなみちようせん古墳こふんからたくさん發見はつけんせられるもので、朝鮮風ちようせんふうのものといふことが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
マフンがた 夏付録 台所道具の図
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
いままた、ファルステルブーのおきのモークレッペン島のあたりに住んでいる水鳥たちが、三角やら、長い曲線きょくせんやら、クサビがたやら、半円やら、さまざまの妙な形をして飛んできました。