噴火ふんか)” の例文
このとき噴火口内ふんかこうない出現しゆつげんしたたか二百米にひやくめーとる鎔岩塔ようがんとうめづらしいものであつたが、それは噴火ふんか末期まつきおい次第しだい崩壞ほうかい消失しようしつしてしまつた。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それから、何の、走って、走って、とうとう向うの青くかすんだ野原のはてに、オツベルのやしきの黄いろな屋根を見附みつけると、象はいちどに噴火ふんかした。
オツベルと象 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ハハハハ、昔々、モコウ君の鼻にまっかなおできがふきでました。それがとつぜん噴火ふんかしたので、あとがまッ黒にこげてしまいました。ハハハハ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
さっきも僕は、とつぜん海底の丘のかげから急に砂煙すなけむりがむくむくとまるで噴火ふんかのようにたちのぼり始めたのを見つけたのだ。彼奴らの仕業しわざなんだ。彼奴らが仕事を始めたしるしなんだ。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
有史以前ゆうしいぜんには噴火ふんかした證跡しようせきゆうしながら、有史以來ゆうしいらい一回いつかい噴火ふんかしたことのない火山かざんかずはなか/\おほい。箱根山はこねやまごときがその一例いちれいである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
玉はまるで噴火ふんかのようにえ、夕日ゆうひのようにかがやき、ヒューと音を立ててまどから外の方へんで行きました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかしそれは音がしなかった。そのかわり、ラッパのような口からは、銀白色ぎんはくしょくこな噴火ふんかする火山灰かざんばいのようにふきだし、陳列棚の方からのびてくるきみのわるい黒い煙をつつみはじめた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たゞこゝにことわりをようすることは噴火ふんかといふ言葉ことば使つかかたである。文字もんじからいへばくとなるけれども、これはえるすのではない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「またあなたはだまってしまったんですね。やっぱり僕がきらいなんでしょう。もういいや、どうせ僕なんか噴火ふんか洪水こうずいか風かにやられるにきまってるんだ」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「大地震か、それとも噴火ふんかか」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ベゴさん。おれたちは、みんな、稜がしっかりしているのに、お前さんばかり、なぜそんなにくるくるしてるだろうね。一緒いっしょ噴火ふんかのとき、落ちて来たのにね。」
気のいい火山弾 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ちかごろは噴火ふんかもありませんし、地震じしんもありませんし、どうも空は青い一方ですな。」
マントの下にかくしてるんだ。僕一つ噴火ふんかをやってあいつをき飛ばしてやろうかな。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ああぼくはもうまるでくらやみだ。目の前がまるでまっ黒なふちのようだ。ああかみなりちて来て、一ぺんに僕のからだをくだけ。足もとから噴火ふんかこって、僕を空の遠くにほうりなげろ。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その火山灰かざんばいは西の二れつか三列の石英粗面岩せきえいそめんがんの火山が、やっとしずまったところではありましたが、やっぱり時々噴火ふんかをやったり爆発ばくはつをしたりしていましたので、そこからって来たのでした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ぼくはもう今すぐでもおらいさんにつぶされて、または噴火ふんかを足もとから引っぱり出して、またはいさぎよく風にたおされて、またはノアの洪水こうずいをひっかぶって、んでしまおうと言うんですよ。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ずうっとむかし、岩手山が、何べんも噴火ふんかしました。その灰でそこらはすっかりうずまりました。このまっ黒な巨きな巌も、やっぱり山からはね飛ばされて、今のところに落ちて来たのだそうです。
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みんなどこかへげたかな。噴火ふんかがあるのか。噴火じゃない。ペストか。ペストじゃない。またおれはひとりで問答もんどうをやっている。あの曖昧な犬だ。とにかく廊下ろうかのはじででも、ぬれた着物を
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
五、噴火ふんかを海へけるのはなかなか容易よういなことでない。