喝采やんや)” の例文
鍍金の奴、目がくらんで、どたり突倒つんのめる。見物喝采やんや。愛吉も、どんなもんだと胸を叩いたは可いが、こっちああおくなって
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実のつた丹波王母珠たんばほゝづきほど紅うして、罪も無き高笑ひやら相手もなしの空示威からりきみ、朋輩の誰の噂彼の噂、自己おのれ仮声こわいろの何所其所で喝采やんやを獲たる自慢
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
実のった丹波王母珠ほおずきほど紅うして、罪もなき高笑いやら相手もなしの空示威からりきみ、朋輩の誰の噂彼の噂、自己おのれ仮声こわいろのどこそこで喝采やんやを獲たる自慢
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大向うが喝采やんやでない迄も謹んで演劇しばいをする分にゃあ仕損ないが少ないさ、酔っぱらって出懸けてみなさい、ほかの酔っぱらいと酔っぱらいが違うんだよ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、をがんだところはよ、閻魔樣えんまさまかほふものは、ぼん十六日じふろくにち小遣錢こづかひぜにつておかゝつたときほかは、あま喝采やんやとはかねえもんだ。……どれ、いそがうか。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
喝采やんやの声のうちに渠はしずかにおもてもたげて、情を含みて浅笑せり。口上は扇をげて一咳いちがい
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
殺した声と、うめく声で、どたばた、どしんと音がすると、万歳と、むこう二階で喝采やんや、ともろ声にわめいたのとほとんど一所に、赤い電燈が、蒟蒻こんにゃくのようにぶるぶると震えていた。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「へい。」と、おもはずくちたのを、はつとふたする色男いろをとこしのびのてい喝采やんやながら、たちまで、ひくはなおほはねばらなかつたのは、あたかたせられたところが、かはやまへ、はうであらう。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鶴とは申せど、尻を振って泥鰌どじょう追懸おっかける容体などは、余り喝采やんやとは参らぬ図だ。誰も誰も、くらうためには、品も威も下げると思え。さまでにして、手に入れる餌食だ。つつくとなれば会釈はない。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つるとは申せど、尻を振つて泥鰌どじょう追懸おっかける容体ようだいなどは、余り喝采やんやとは参らぬ図だ。誰も誰も、くらふためには、ひんも威も下げると思へ。までにして、手に入れる餌食だ。つつくと成れば会釈はない。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その喝采やんやは全く暑中にありて、冬季は坐食す。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
喝采やんやと手をつもの五七人。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)