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喃
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のう
ふりがな文庫
“
喃
(
のう
)” の例文
喃
(
のう
)
、瀧口殿、
最早
(
もは
)
や世に浮ぶ瀬もなき此身、今更
惜
(
を
)
しむべき譽もなければ、誰れに恥づべき名もあらず、重景が一
期
(
ご
)
の
懺悔
(
ざんげ
)
聞き給へ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「ほほう、なかなかあでやかじゃ
喃
(
のう
)
。——女! 早う伝えい。江戸の男が、気ッ腑を資本に遊びに参ったと、早う八ツ橋に伝えい」
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「まア! 誰かとおもえば、あんたですかの、どうしなさったんなア、こんなにとつぜんで、ほんまに、びっくりしやんすが
喃
(
のう
)
」
田舎がえり
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「——
喃
(
のう
)
。潮音さんも、ひと頃は、平家の
公達
(
きんだち
)
衆にもえろう
噪
(
さわ
)
がれたほど、美しい白拍子じゃったが、
儚
(
はかな
)
いものよの」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、ツイこの間まで若衆であったよ、前髪を落して急に老けて、こんなに小汚なくなったが
喃
(
のう
)
——」
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
木沢殿の宝物は何か知らぬが、涙こぼして欲しがるほどの此老人に呉れて遣って下されては如何でござる。
喃
(
のう
)
、老人、臙脂屋、其方に取っては余程欲しいものと見えるナ。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「明日よりは天下晴れて、里へも野へも出らるるぞ。
喃
(
のう
)
、嬉れしやよろこばしや」ト。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
なんぞや決闘とは! ……猪之松、
其方
(
そのほう
)
はわしについて剣道を学んだ者だった
喃
(
のう
)
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
喃
(
のう
)
! 人間の子、人間の世界はよほどうるさいじゃろうなア? 」
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
「老先生どうかしたのか
喃
(
のう
)
」と老僕倉蔵が声を潜めて問うた。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『生えるかも知れねえ、お雪坊は賢い事を言ふだ
喃
(
のう
)
。』
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
T「左膳は女に縁が無い
喃
(
のう
)
」
なりひら小僧
(新字新仮名)
/
山中貞雄
(著)
喃
(
のう
)
、瀧口殿、
葉末
(
はずゑ
)
の露とも消えずして今まで立ちつくせるも、
妾
(
わらは
)
が
赤心
(
まごゝろ
)
打明けて、許すとの御身が
一言
(
ひとこと
)
聞かんが爲め、夢と見給ふ昔ならば
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「なに⁉
不埒
(
ふらち
)
な奴よ
喃
(
のう
)
。——それきかばもう、この主水之介が棄ておけずなったわ。ようしッ、身共が今日よりそちの力となってつかわそうぞ」
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「……が
喃
(
のう
)
、筑州殿。三法師君の御出座を求めたのは
御辺
(
ごへん
)
とはちがうか。——修理は、いっこうに知らんが」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それは有難い、——長い間の辛抱であったが——拙者の技の
拙
(
まず
)
さで、飛んだ恥を掻かせた
喃
(
のう
)
」
奇談クラブ〔戦後版〕:02 左京の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
黄金丸を
抱
(
いだ
)
き起し、耳に口あてて「
喃
(
のう
)
、黄金丸、気を
確
(
たしか
)
に持ちねかし。われなり、鷲郎なり」ト、呼ぶ声耳に通じけん、黄金丸は苦しげに
頭
(
こうべ
)
を
擡
(
もた
)
げ、「こは鷲郎なりしか。
嬉
(
うれ
)
しや」ト
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「とつぜんぞやがのう、どうしたんなア、わしゃ、誰かおもうて吃驚したが
喃
(
のう
)
」
田舎がえり
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
おろかよ
喃
(
のう
)
。百化け十吉をおびきよせる
囮
(
おとり
)
になるのじゃ。そちの姿顔なら女子に化けても水際立って美しい筈じゃ。
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
情
(
つれ
)
なかりし横笛とは思ひ給はざるべきに、など斯くは慈悲なくあしらひ給ふぞ、今宵ならでは世を換へても相見んことのありとも覺えぬに、
喃
(
のう
)
、瀧口殿
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「そう、嘆くな。嘆いたとて、どうなるものぞい。おぬし、金は
蓄
(
た
)
めたじゃないか。金が、老いの
杖
(
つえ
)
。これからは隠居して、花鳥風月を友として
喃
(
のう
)
……。それも、いいぞよ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二年前に亡くなられて、当代は安倍
丹之丞
(
たんのじょう
)
様、お若いが、先代に優るとも劣らぬ智恵者で
喃
(
のう
)
、早くも御役付、御小姓組御番頭に御取立、御上の御用で半歳ほど前から
駿府
(
すんぷ
)
へ行っておられる。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
八つの年初めてお目見得に上って、お茶との御所望があったとき、
過
(
あやま
)
ってお膝の上にこぼしたら、ほほう
水撒
(
みずま
)
きが上手よ
喃
(
のう
)
、と仰せられた程の殿である。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「……が
喃
(
のう
)
、高氏どの。聞きわけて給もい。ほかのことなら、何なときいて上げますが」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
入れて用いていたよ、——それが、いつ頃から無くなったか、
喃
(
のう
)
お米
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
御門番と言えば番士の中でも手だれ者を配置いたすべきが
定
(
じょう
)
なのに、そのそちですらこの柔弱さは何としたことじゃ。ウフフ、十二万石を喰う米の虫よ
喃
(
のう
)
。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「……が
喃
(
のう
)
、右馬介。足利の地にとっては、こりゃ対岸の火災とは見ておれまいぞ。乱が大きくなれば、
必定
(
ひつじょう
)
、鎌倉幕府からわが家へも、出兵の令が降るであろうし、なおまた……」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「風もないのに、消えて居たやうに思ふが。
喃
(
のう
)
、千本殿」
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「現金な奴よ
喃
(
のう
)
。ヘゲタレにしたり生仏にしたり致さば、
閻魔様
(
えんまさま
)
が面喰らおうぞ。それより女! こりゃ、女」
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ほう、よい名じゃ
喃
(
のう
)
」
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「寒さとなると
喃
(
のう
)
——」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もう十日程、そちを女にして眺めたいが、さぞかし菊めが待ち焦れておろうゆえ、かえしてやるか
喃
(
のう
)
——」
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「さあて、
喃
(
のう
)
?」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喃
(
のう
)
、井上
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
気味のわるい奴よ
喃
(
のう
)
。なぜ言わぬぞ。そう言えば来た時の
容子
(
ようす
)
も
腑
(
ふ
)
に落ちかぬるところがあったようじゃ。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
喃
(
のう
)
、袖の重さよ
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、なになに、それ程でもない。近頃年を取ったか、とんと気が短うなって
喃
(
のう
)
。
禅
(
ぜん
)
の
修行代
(
しゅぎょうがわ
)
りにと、かようないたずらを始めたのじゃ。時に江戸も御繁昌かな」
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
せんなや
喃
(
のう
)
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それにつけても
肥後守
(
ひごのかみ
)
は、——会津中将は、
葵
(
あおい
)
御一門切っての
天晴
(
あっぱ
)
れな
公達
(
きんだち
)
よ
喃
(
のう
)
! 御三家ですらもが薩長の鼻息
窺
(
うかご
)
うて、江戸追討軍の御先棒となるきのう今日じゃ。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「夜ごとに目立って客足が減るよう
喃
(
のう
)
。——歎かわしいことじゃ。考えねばならぬ。——参ろうぞ」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「はて
喃
(
のう
)
。雲茫々、山茫々、鳥刺し怪しじゃ。ちとこれは退屈払いが出来ますかな」
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「
喃
(
のう
)
! おやじ! どうじゃ。剣難ありと人相に書いてはないか」
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「あれは、道弥はおらぬと見えるな。もう何刻頃であろう
喃
(
のう
)
?」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「いかいややこしいところよ
喃
(
のう
)
、吉田の
宿
(
しゅく
)
へはまだ遠いかな」
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「突然異な事を申す奴よ
喃
(
のう
)
。叱りはせぬよ、叱りはせぬよ」
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ウフフフ。アハハハハ。笑止よ
喃
(
のう
)
。ウフフフ、アハハハ」
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「なに? 身共の力にすがりたいとな! 人違いじゃとな! 災難に会うているとな!——はて
喃
(
のう
)
。そう言えばこの奥へ逃げ失せた女とは少し背が小さいようじゃが、では、今朝ほど坂で会うたあの娘ではないと申すか」
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「なかなか
風情
(
ふぜい
)
よ
喃
(
のう
)
」
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「珍しい対面よ
喃
(
のう
)
」
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ほほう
喃
(
のう
)
」
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
喃
漢検1級
部首:⼝
12画
“喃”を含む語句
喃々
喃語
喋々喃々
喃々喋々
勃駄喃
呢喃
喃々戯語
喃々私語
喃喃
是喃
阿会喃