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ふりがな文庫
“
古家
(
ふるいえ
)” の例文
呼吸
(
いき
)
を詰めて、うむと
堪
(
こら
)
えて
凍着
(
こごえつ
)
くが、
古家
(
ふるいえ
)
の
煤
(
すす
)
にむせると、時々
遣切
(
やりき
)
れなくなって、
潜
(
ひそ
)
めた
嚔
(
くしゃめ
)
、ハッと
噴出
(
ふきだ
)
しそうで不気味な真夜中。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
行き着いてみると、例の
古家
(
ふるいえ
)
は昼間よりシンとしていて、少しも変ったふうはなく、また半五郎の見たという
灯
(
ともし
)
のもれている様子もありません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
農家らしい
古家
(
ふるいえ
)
では今でも
生垣
(
いけがき
)
をめぐらした平地に、
小松菜
(
こまつな
)
や
葱
(
ねぎ
)
をつくっている。また方形の広い池を
穿
(
うが
)
っているのは養魚を業としているものであろう。
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この
古家
(
ふるいえ
)
の静かな壁の
中
(
うち
)
から、
己
(
お
)
れ自身の生涯が浄められて流れ出るような心持がする。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
支那の
古家
(
ふるいえ
)
をそのまま使ってるから、御寺の本堂を客間に仕切ったと同じようである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
わたくしどもの
古家
(
ふるいえ
)
よりもよほど立派にみえます。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
後で聞きますと、それが山へ来る約束の日だったので、私の膝に居る女が、
心待
(
こころまち
)
に
古家
(
ふるいえ
)
の
門口
(
かどぐち
)
まで出た処へ、
貴下
(
あなた
)
が、例の異形で御通行になったのだそうです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寂
(
さみ
)
しいにも、第一
此
(
こ
)
の家には、旅人の来て宿るものは一
人
(
にん
)
も無い、と
茶店
(
ちゃみせ
)
で聞いた——
泊
(
とまり
)
がさて無いばかりか、
眗
(
みまわ
)
して見ても、がらんとした
古家
(
ふるいえ
)
の中に、其の
婦
(
おんな
)
ばかり。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
八郎の
古家
(
ふるいえ
)
で、薄暗い二階から、
銀杏返
(
いちょうがえし
)
で、肩で、脊筋で、半身で、白昼の町の人通りを
覗
(
のぞ
)
きながら、
心太
(
ところてん
)
や寒天を呼んだのはまだしも、その素裸で、屋根の物干へ立って
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小走
(
こばし
)
りに駆けて来ると、道のほど一
町
(
ちょう
)
足
(
た
)
らず、
屋
(
や
)
ならび三十ばかり、
其
(
そ
)
の
山手
(
やまて
)
の方に一軒の
古家
(
ふるいえ
)
がある、
丁
(
ちょう
)
ど
其処
(
そこ
)
で、
兎
(
うさぎ
)
のやうに
刎
(
は
)
ねたはずみに、
礫
(
こいし
)
に
躓
(
つまず
)
いて
礑
(
はた
)
と倒れたのである。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
素
(
す
)
ばらしい
竈
(
へッつい
)
を二ツ
並
(
なら
)
べて
一斗飯
(
いっとめし
)
は
焚
(
た
)
けそうな
目覚
(
めざま
)
しい
釜
(
かま
)
の
懸
(
かか
)
った
古家
(
ふるいえ
)
で。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
料理
旅籠
(
はたご
)
は、
古家
(
ふるいえ
)
の
甍
(
いらか
)
を黒く、
亜鉛
(
トタン
)
屋根が三面に
薄
(
うっす
)
りと光って、あらぬ月の影を宿したように見えながら、
縁
(
えん
)
も
庇
(
ひさし
)
も、すぐあの蛇のような土橋に、庭に吸われて、小さな藤棚の
遁
(
に
)
げようとする方へ
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“古”で始まる語句
古
古今
古渡
古河
古市
古風
古物
古文書
古代
古墳