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凛乎
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りんこ
ふりがな文庫
“
凛乎
(
りんこ
)” の例文
その声の
凛乎
(
りんこ
)
たる響きと、立ち塞がった身構えのするどさに、さすが殺気だった侍たちも思わず踏み止まった。
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
多年病魔と戦つてこの大業を成したるの勇気は
凛乎
(
りんこ
)
として
眉宇
(
びう
)
の間に現はれ居れどもその
枯燥
(
こそう
)
の態は余をして無遠慮にいはしむれば全く
活
(
い
)
きたる
羅漢
(
らかん
)
なり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「武士は食わねど
高楊枝
(
たかようじ
)
」の心が、やがて江戸者の「
宵越
(
よいごし
)
の
銭
(
ぜに
)
を持たぬ」誇りとなり、更にまた「
蹴
(
け
)
ころ」「
不見転
(
みずてん
)
」を
卑
(
いや
)
しむ
凛乎
(
りんこ
)
たる意気となったのである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
げにや恋ぞ強し!——
可憐
(
かれん
)
きわまりなかった少女の面は、ほのぼのと熱をきたして、言下に答えたその声すらも、
凛乎
(
りんこ
)
として決断の強さを示していたものでしたから
右門捕物帖:07 村正騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
『
日出雄
(
ひでを
)
や、お
前
(
まへ
)
は
今
(
いま
)
此
(
この
)
災難
(
さいなん
)
に
遭
(
あ
)
つても、ネープルスで
袂別
(
わかれ
)
の
時
(
とき
)
に
父君
(
おとつさん
)
の
仰
(
お
)
つしやつたお
言葉
(
ことば
)
を
忘
(
わす
)
れはしますまいねえ。』と
言
(
い
)
へば、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
此時
(
このとき
)
凛乎
(
りんこ
)
たる
面
(
かほ
)
を
擧
(
あ
)
げ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
多少の
凄
(
すご
)
みを覚えさせるほど
蒼白
(
そうはく
)
を帯びた、澄んだ血色のせいであろうと思われましたが、しかし
凛乎
(
りんこ
)
たる表情や、
瀟洒
(
しょうしゃ
)
な服装や、胸だの指だのに輝いている宝石を見ると
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
芭蕉の葉色、秋風を笑ひて
籬
(
まがき
)
を
蓋
(
おほ
)
へる微かなる
住家
(
すみか
)
より、ゆかしき
音
(
ね
)
の洩れきこゆるに、仇心浮きて
其
(
そ
)
が
中
(
なか
)
を
覗
(
うかゞ
)
ひ見れば、年老いたる盲女の琵琶を弾ずる面影
凛乎
(
りんこ
)
として、俗世の物ならず。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
また夫人が夫オースチンの遺書を出版するに至った次第を記した文章は、実に情義並び至っておって、一方においては婦女子の謙徳を現わし、他方においては
凛乎
(
りんこ
)
たる貞烈の思想を示すものである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
『それに
就
(
つ
)
けても、
惡
(
にく
)
む
可
(
べ
)
きは
海賊船
(
かいぞくせん
)
の
振舞
(
ふるまひ
)
、かゝる
惡逆無道
(
あくぎやくむだう
)
の
船
(
ふね
)
は、
早晩
(
はやかれおそかれ
)
木葉微塵
(
こつぱみぢん
)
にして
呉
(
く
)
れん。』と、
明眸
(
めいぼう
)
に
凛乎
(
りんこ
)
たる
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
つと、
聽
(
き
)
く
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は、プイと
躍立
(
とびた
)
つて。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「いき」であるためには、なお眼が過去の潤いを想起させるだけの一種の光沢を帯び、瞳はかろらかな
諦
(
あきら
)
めと
凛乎
(
りんこ
)
とした張りとを無言のうちに有力に語っていなければならぬ。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
ある宵われ
牕
(
まど
)
にあたりて横はる。ところは海の
郷
(
さと
)
、秋高く天朗らかにして、よろづの
象
(
かたち
)
、よろづの物、
凛乎
(
りんこ
)
として我に迫る。
恰
(
あたか
)
も我が真率ならざるを笑ふに似たり。恰も我が
局促
(
きよくそく
)
たるを嘲るに似たり。
一夕観
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
凛
漢検1級
部首:⼎
15画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“凛”で始まる語句
凛々
凛
凛然
凛烈
凛冽
凛寒
凛凛
凛々敷
凛〻
凛凄