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優形
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やさがた
ふりがな文庫
“
優形
(
やさがた
)” の例文
その傍に、フロック姿の若林博士が突立っていて、
厳
(
いか
)
めしい制服姿の警部と、セルずくめの
優形
(
やさがた
)
の紳士を、正木博士に紹介している。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
手甲
(
てっこう
)
甲掛けの花売娘であったり、どんどろ大師のお弓であったりしたが、お篠お婆さんに似て
小股
(
こまた
)
のきりりとした
優形
(
やさがた
)
であった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
男気が無いと見定めたからの事でしょうが、
優形
(
やさがた
)
で、無類の美男と言われた千代之助は、
何処
(
どこ
)
へ行っても無礼な仕打で通って来たのでした。
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
案のごとく万太郎は、相手を
優形
(
やさがた
)
と見くびッて、
手捕
(
てど
)
りにする気でかかりましたが、ハッと気がついて途中からさらにうしろへ飛び
回
(
かえ
)
って
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
男には似合しからねど、すべて
優形
(
やさがた
)
にのどやかなる人なり、かねて高名なる作家ともおぼえず心安げにおさなびたり。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
私の夫という人は
優形
(
やさがた
)
で
痩
(
や
)
せぎすな外見だけがやや木村さんに似ているけれども、その他の点では何も似ていない。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ちょうど寺の門を通りすぎて五、六間行ったと思ったとき、門の中からひょろりと出てきた二十二三の
優形
(
やさがた
)
の男。
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それは
本紅
(
ほんこう
)
の胴裏を附けた
変縞
(
かわりじま
)
の糸織で、八つ口の開いた女物に袖を通させて、折込んだ広襟を後から直してやれば、
優形
(
やさがた
)
な色白の歯医者には似合って見えました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
孫右衛門は
優形
(
やさがた
)
の小男、死んで
自力
(
じりき
)
はないものの、彦兵衛の手一つでずずっとひきずり得るくらい。
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
カイアヹエ君は偉大な体格をして態度の沈着な男、
之
(
これ
)
に反してマス君は日本で言へば正宗
白鳥
(
はくてう
)
君の様に
優形
(
やさがた
)
な
小作
(
こづく
)
りの男で、一見神経質な、動作の
軽捷
(
けいせふ
)
な文人である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
五十
恰好
(
かっこう
)
で、
天窓
(
あたま
)
の
兀
(
は
)
げたくせに髪の黒い、色の白い、ぞろりとした
優形
(
やさがた
)
な
親仁
(
おやじ
)
で、脈を取るにも、
蛇
(
じゃ
)
の
目
(
め
)
の
傘
(
かさ
)
を差すにも、小指を
反
(
そら
)
して、三本の指で、横笛を吹くか
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
軍勢に硬軟の区別を立てゝ、軍備へをする訣もないから、
優形
(
やさがた
)
の軍隊と言つた風の譬喩表現と見る説はわるい。やはり素朴に、女軍人の部隊と説く考へが、ほんとうである。
最古日本の女性生活の根柢
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
勝れたる
容姿
(
かたち
)
といふにはあらねど、
優形
(
やさがた
)
にて色白く、
黒色
(
くろめ
)
がちなる眼元愛らしければ、これに美しき
服
(
きぬ
)
着せたらんには、天晴れ一個の、可憐嬢とも見ゆるならむが、
身装
(
みなり
)
のあまりに見苦しきと
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
おや、思いの外いい男だねえ、色が白くて、
優形
(
やさがた
)
で、なかなか好い男だ、新撰組というから、鬼からお釣を取るような男ばっかりだと思っていたのに、ホンに人は見かけによらないものだねえ。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
競馬の馬の
逞
(
たくま
)
しく
美
(
うつ
)
くしき
優形
(
やさがた
)
と異なりぬ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
清太郎といふのは二十七八の
優形
(
やさがた
)
の男で、頼りない感じはしますが、生きてゐるうちは、隨分好い男にも見えたことでせう。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
義兄の政広は
優形
(
やさがた
)
の美青年である。「政広、ここへ来い」となると、父の荒い酒気の前におかれて、義兄は油をしぼられた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氏はフロツクコートを着、
優形
(
やさがた
)
の長身を心持ち前屈みにし、幕の垂れてゐる舞台の前面をやゝ興奮した足取りで往つたり来たりしながら、徐ろに口を切つた。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
軍勢に硬軟の区別を立てて、軍備えをするわけもないから、
優形
(
やさがた
)
の軍隊といったふうの譬喩表現と見る説はわるい。やはり素朴に、女軍人の部隊と説く考えが、ほんとうである。
最古日本の女性生活の根柢
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
偉大な体格の、腹の突き出た
諾威
(
ノルヱエ
)
人の船長は両手を組んだ
儘
(
まゝ
)
前方を見て動かない。麦藁帽を
冠
(
かぶ
)
つた
優形
(
やさがた
)
の水先案内は軽快に
船橋
(
ブリツヂ
)
を左右へ断えず歩んで
下瞰
(
かかん
)
し
乍
(
なが
)
ら
響
(
ひびき
)
のよい声で号令する。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
顔は見えないが、二十八、九、
優形
(
やさがた
)
のようすのいい女なのだ。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人を引く目の
優形
(
やさがた
)
の二十三四の女と変つて
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
途端に、勘のするどい
優形
(
やさがた
)
の男は、藪の枯れ葉がカサリと鳴ったかすかな気配に驚いて、忽ち、飛鳥のように人参畑を横に切って逃げ出しました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気がつけば一方にも、今二人して立ちすくませた、異装
優形
(
やさがた
)
の曲者が残っています。助勢を呼ぶ様子では、万太郎ひとりで手にあましていると見える。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
噂のとおり、賛之丞はちょっと女好きのしそうな
眉目
(
びもく
)
に
優形
(
やさがた
)
な肩幅を落すくせを持っている。だがその眸の底には、寸間も休まらないというような恐怖をどきどきと
潜
(
ひそ
)
ませているようだ。
八寒道中
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
優
常用漢字
小6
部首:⼈
17画
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“優”で始まる語句
優
優男
優雅
優美
優婆塞
優婉
優渥
優曇華
優劣
優善