“やさがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤサガタ
語句割合
優形78.6%
優型3.6%
優容3.6%
優肩3.6%
痩形3.6%
瘠形3.6%
膄形3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手甲てっこう甲掛けの花売娘であったり、どんどろ大師のお弓であったりしたが、お篠お婆さんに似て小股こまたのきりりとした優形やさがたであった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「よしや変りましても、親の目は誰より確か。年恰好、背恰好はどうやら似ておりまするが、伜はもッと優型やさがたでござりました。水死人はむくみが参るものにしても、あのように肥っておりませなんだ筈、親の目に間違いはござりませぬ」
と黒い外套がいとうを着た男が、同伴つれの、意気で優容やさがた円髷まるまげに、低声こごえで云った。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
優肩やさがたに手を触れる快適さに身をふるわせ、肩につかまったが、爪さきが痛んで、指頭が立たなかった、「どうした、利かないじゃないか。」児太郎はそう叫ぶと、うるさそうに肩さきを振って
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
色のややあおい、痩形やさがたの男で、短く苅ったびんのあたりはまだらに白く、鼻の下のひげにも既に薄い霜がおりかかっていた。紺がすりの単衣ひとえもの小倉こくらはかまを着けて、白足袋たびに麻裏の草履ぞうり穿いていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
色白の細面ほそおもてまゆあわいややせまりて、ほおのあたりの肉寒げなるが、きずといわば疵なれど、瘠形やさがたのすらりとしおらしき人品ひとがら
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
何処どこから現われたのかすこしも気がつかなかったので、あだかも地の底から湧出わきでたかのように思われ、自分は驚いてく見ると年輩としは三十ばかり、面長おもながの鼻の高い男、背はすらりとした膄形やさがた
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)