きづゝ)” の例文
春枝夫人はるえふじん嬋娟せんけんたる姿すがたたとへば電雷でんらい風雨ふううそら櫻花わうくわ一瓣いちべんのひら/\とふがごとく、一兵いつぺいとききづゝたをれたるを介抱かいほうせんとて、やさしくいだげたる彼女かのぢよゆきかひなには
きづゝたをれたのもすくなくない樣子やうすで、このすでに十二三ばかりすゝみて、海岸かいがんなる櫻木大佐さくらぎたいさ住家すみかからは、たしかに三十以上いじやうへだゝつたとおもはるゝある高山かうざん絶頂ぜつてうたつしたときには、そのかず餘程よほどげんじて
何事なにごと天命てんめいです、しか吾等われらこの急難きふなんのぞんでも、わが日本につぽんほまれきづゝけなかつたのがせめてもの滿足まんぞくです。』とかたると、夫人ふじんかすかにうち點頭うなづき、俯伏ひれふして愛兒あいじくれないなるほう最後さいご接吻せつぷんあた