きづつ)” の例文
もとより確言する能はざれど、現存げんぞん石器時代人民せききじだいじんみんの所爲を以て推す時は、是等は石器の用は食料しよくれうの肉を切り、木質もくしつを削り、人獸をきづつくるに在りしと思はる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
はじめ家族までもきづつけんという心はなかりしが、きり入りし一同いちどうの鳥銃放ちて引上げたるとき、一人足らざりしかば、怪みて臼井が邸にかえりて見しに、此男六郎が母にまれて
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ところで、随筆ずゐひつ出処しゆつしよだとすると、なんのために、奥州おうしう越前ゑちぜんうつして、越中ゑつちう備中びつちうにかへたらう、ソレあるひは越中ゑつちうふんどしひゞいて、強力がうりき威厳ゐげんきづつけやうかの深慮しんりよたのかもはかられぬ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
喧嘩けんくわの一部分として、ひとおこらせるのは、おこらせる事自身よりは、おこつたひと顔色かほいろが、如何に不愉快にわがえいずるかと云ふ点に於て、大切なわが生命をきづつける打撃にほかならぬと心得てゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
アカイア戰將これ迄に多くきづつく、何故に
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
或る物は手にてただちにぎりしなるべく、或る物にはつかくくり付けしならん。使用しようの目的は樹木じゆもくたたり、木材を扣き割り、木質ぼくしつけづり取り、じうたふし、てききづつくる等に在りしと思はる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
ある時はわが大学に在りしことを聞知ききしりてか、学士がくし博士はかせなどいう人々三文さんもんあたいなしということしたりがおべんじぬ。さすがにことわりなきにもあらねど、これにてわれをきづつけんとおもうはそもまよいならずや。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)