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侠客
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きょうかく
ふりがな文庫
“
侠客
(
きょうかく
)” の例文
昼はかくれて、不思議な星のごとく、
颯
(
さっ
)
と
夜
(
よ
)
の幕を切って
顕
(
あらわ
)
れる
筈
(
はず
)
の処を、それらの英雄
侠客
(
きょうかく
)
は、
髀肉
(
ひにく
)
の
歎
(
たん
)
に堪えなかったに相違ない。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
義賊
(
ぎぞく
)
侠客
(
きょうかく
)
謀反人
(
むほんにん
)
の類はそれとなく柴君の弥次馬性に訴えるところがあるんだね。君は自分の家さえ焼けなければ火事は面白いという組だろう?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
慶応
(
けいおう
)
生れの
江戸
(
えど
)
っ
児
(
こ
)
天下の
助五郎
(
すけごろう
)
は
寄席
(
よせ
)
の
下足番
(
げそくばん
)
だが、頼まれれば何でもする。一番好きなのは選挙と
侠客
(
きょうかく
)
だ。
助五郎余罪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
駒形河岸裏の
侠客
(
きょうかく
)
出石屋
(
いずしや
)
四郎兵衛が、日ごと夜ごとのようにこの大川筋で
入水
(
じゅすい
)
する不了簡者達を戒めるためと
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
芳年が紫玉の意を
忖
(
はか
)
って、これを花山に告げた。花山は
援
(
すくい
)
を茶弘に求めた。茶弘は新橋
界隈
(
かいわい
)
に幅を利かせていた
侠客
(
きょうかく
)
で、花山が親分として戴いていたのである。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
此の人は誠に
天稟
(
うまれつき
)
侠客
(
きょうかく
)
の志がございまして、弱い者を助け、強い者は飽くまでも向うを張りまするので、村方で困る百姓があれば、自分も困る
身上
(
みじょう
)
でございますが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
縄張りの顔立てなぞに到るまで、決して相手を高飛車にキメ附けるような
侠客
(
きょうかく
)
式の肌合いを見せない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
女
侠客
(
きょうかく
)
といわれる者は、他にもあるが、「ドテラ婆さん」のような、男か女かわからない、人を殺すことを屁とも思っていない、執拗
残忍
(
ざんにん
)
な女に逢ったのははじめてだ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
親分子分というものは、
侠客
(
きょうかく
)
とかバクチ打ちとかいう社会にはなくてはならぬものだろうが、世の中が進歩すればするほど、それがなくなるべきはずだと信じているのです。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
伝法院の庭を抜け、田圃の間の
畔道
(
あぜみち
)
を真直に行くと(右側の田圃が今の六区一帯に当る)、伝法院の西門に出る。その出口に江戸
侠客
(
きょうかく
)
の随一といわれた
新門辰五郎
(
しんもんたつごろう
)
がいました。
幕末維新懐古談:12 名高かった店などの印象
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「親分とか
侠客
(
きょうかく
)
とかいうんでしょう。とにかく暴力団……。」とすみ子は声を低くした。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
こうこう、こういう事情になっているところを、僕が逃げたというので、その代りに住職に
復讐
(
ふくしゅう
)
しようと、町の
侠客
(
きょうかく
)
連が二、三名動き出したのを、人に頼んで、ようやく推し静めてもらったが
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
もっとも
馬琴
(
ばきん
)
の作に「
侠客
(
きょうかく
)
伝」という未完物があるそうで、読んだことはないが、それは楠氏の一女
姑摩姫
(
こまひめ
)
と云う
架空
(
かくう
)
の女性を中心にしたものだと云うから、自天王の
事蹟
(
じせき
)
とは関係がないらしい。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ここでは唯、旗本の侍どもから組織されている白柄組や
神祇組
(
じんぎぐみ
)
のたぐいが、町人の
侠客
(
きょうかく
)
の集団であるいわゆる町奴の群れと、日頃からとかくに睨み合いの姿であったことを簡単に断わっておきたい。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
君、おどろいてはいけない。支那の革命運動の大立者、孫文という英雄は、もう早くから日本の
侠客
(
きょうかく
)
の宮崎なんとかいう人の家にかくまわれているのだぞ。孫文。この名を覚えて置いたほうがいい。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「こないだ○○町で
逢
(
お
)
うたらば、ホラ
侠客
(
きょうかく
)
の『○○天山』の新聞で働いとるげなてち——、その言うこつがええたい、こんどはぬしどんが四の五の言うなら
叩
(
たた
)
ッ
斬
(
き
)
ってしまうちゅうけんな、おッそろしか——」
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
男を売るのが商売の
侠客
(
きょうかく
)
か。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
今、若松で、「ドテラ婆さん」ちゅうたら、ばりばりの女
侠客
(
きょうかく
)
じゃ。婆さん、というても、なにも、年寄りじゃない。三十五六の女盛りじゃ。また、ドテラ着とるわけでもない。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
他人でない、扱うてくれたまえ。(
神官
(
かんぬし
)
に)
貴方
(
あなた
)
も教えの道は御親類。(村長に)村長さんの声名にもお縋り申す。……(力士に)な、天下の力士は
侠客
(
きょうかく
)
じゃ、
男立
(
おとこだて
)
と見受けました。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蟠作「兄上、
予
(
かね
)
て聞きましたが浪島文治郎と云うは浪人者で、何か
侠客
(
きょうかく
)
とか云う、町人を
威
(
おど
)
し、友之助のことに世話をする奴で、友之助の事に
就
(
つ
)
いて掛合に参ったのでございましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
頃は安永年中の事で、
本所
(
ほんじょ
)
業平村
(
なりひらむら
)
に
浪島文治郎
(
なみしまぶんじろう
)
と云う
侠客
(
きょうかく
)
がありました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに母様が厳しく
躾
(
しつけ
)
れば、その方は心配はないが、むむ、まだ要点は財産だ。が、酒井は困っていやしないだろうか。誰も知った
侠客
(
きょうかく
)
風の人間だから、人の世話をすりゃ、つい
物費
(
ものいり
)
も少くない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し天性弱きを助け強きを
挫
(
ひし
)
ぐの資性に富み、善人と見れば
身代
(
しんだい
)
は申すに及ばず、
一命
(
いちめい
)
を
擲
(
なげう
)
ってもこれを助け、また悪人と認むれば
聊
(
いさゝ
)
か容赦なく
飛蒐
(
とびかゝ
)
って殴り殺すという七
人力
(
にんりき
)
の
侠客
(
きょうかく
)
でございます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“侠客”の意味
《名詞》
強きをくじき、弱きを助けることを旨とする者。
(出典:Wiktionary)
“侠客”の解説
侠客(きょうかく)は、強きを挫き、弱きを助ける事を旨とした「任侠を建前とした渡世人」の総称。
(出典:Wikipedia)
侠
漢検準1級
部首:⼈
8画
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
“侠客”で始まる語句
侠客肌
侠客伝
侠客気
侠客大尽
侠客春雨傘
侠客風俗