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人事不省
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じんじふせい
ふりがな文庫
“
人事不省
(
じんじふせい
)” の例文
いまパイ軍曹は、叱りとばすどころではなく、
人事不省
(
じんじふせい
)
におちいっていたのは、ピート一等兵のため、はなはだ幸運であった。
地底戦車の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
同仁
(
どうじん
)
病院長山井博士の説によれば、忍野氏は昨夏
脳溢血
(
のういっけつ
)
を
患
(
わずら
)
い、三日間
人事不省
(
じんじふせい
)
なりしより、
爾来
(
じらい
)
多少精神に異常を呈せるものならんと言う。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人とも苦もなく
捩
(
ね
)
じふせられて、麻酔剤を嗅がされ、そのまま
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥ったが、やっと今、電話のベルで眼がさめたところだというのでした。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
彼
(
かれ
)
は
寒
(
さむ
)
さが
骨
(
ほね
)
に
徹
(
てつ
)
する
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
のことを
明瞭
(
めいれう
)
に
頭
(
あたま
)
に
泛
(
うか
)
べて
判斷
(
はんだん
)
するのには
氣候
(
きこう
)
の
變化
(
へんくわ
)
が
餘
(
あま
)
りに
急激
(
きふげき
)
であつた。
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
人事不省
(
じんじふせい
)
の
幾時間
(
いくじかん
)
を
經過
(
けいくわ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あの毒薬の注射にしても、ゴリラを殺すのが目的ではなく、一時
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥らせ、檻の中から、逃げ易い病院へ移させる手段でなかったとは云えぬのだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
刀を差した男の体は鳥のようであった。河野は
何時
(
いつ
)
の間にか
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥ってしまった。そして、気がついた時には、刀を差した男が
後
(
うしろ
)
へ廻って背を
擦
(
さす
)
っていた。
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
隠
(
かく
)
そうとする様子にご安心なされませお
㒵
(
かお
)
は見は致しませぬこの通り眼をつぶっておりますと行燈の灯を遠のけるとそれを聞いて気が
弛
(
ゆる
)
んだものかそのまま
人事不省
(
じんじふせい
)
になった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かれはもうたくさんの水を飲んでいて、半分
人事不省
(
じんじふせい
)
であった。わたしはかれの頭をうまく水の上に上げてやったので、どうにかかれは上がって来た。
仲間
(
なかま
)
はかれの手を取って引き上げる。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
船からおりると、八、九里の間は
駕籠
(
かご
)
に乗るのであるが、駕籠の中で
幾度
(
いくたび
)
となく卒倒しながら、九死一生の内にも無理に長崎へ着いた。そのために一週間ばかりも
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥ったままであった。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
それ以来、私は
人事不省
(
じんじふせい
)
となり、全身ところきらわず
火傷
(
やけど
)
を負ったまま、
翌朝
(
よくちょう
)
まで
昏々
(
こんこん
)
と
死生
(
しせい
)
の間を
彷徨
(
ほうこう
)
していたのである。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼はエデインバラに留学中、電車に飛び乗らうとして
転
(
ころ
)
げ落ち、
人事不省
(
じんじふせい
)
になつてしまつた。が、病院へかつぎこまれる途中も
譫語
(
うはごと
)
に英語をしやべつてゐた。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
俊夫君が午前三時十分頃に電話をかけたときに、まだ麻酔剤のために
人事不省
(
じんじふせい
)
だった女弟子も、もうこの時には普通の人になって、お菓子などを運んで出ました。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
でも
震動
(
しんどう
)
はずいぶんひどかったから、わたしは
人事不省
(
じんじふせい
)
で地べたに
転
(
ころ
)
がった。わたしが正気に返ったとき、わたしはまだ汽車の中にいると思った。わたしはまだ運ばれているように感じたのであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
人事不省
(
じんじふせい
)
の青年(男)と、その所持品らしき鞄(スーツケースと呼ばれる種類のもの)の残留せるを発見し届出あり、目白署に保護保管中なり。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それからいく分間、あるいはいく時間
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥っていたのか、もとより私は存じません。
塵埃は語る
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
これは様子がおかしいと気がついて、やっと助け下ろしますと、「
崩
(
くず
)
れる
鬼影
(
おにかげ
)
!」と不思議な言葉を呟いたまま
人事不省
(
じんじふせい
)
に
陥
(
おちい
)
ってしまいました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
時計を見ると、わずかに三十分間
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥っていたことが分かりました。
塵埃は語る
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
佐々砲弾は、ロケットの中に閉じこめられたところまでは覚えていたが、それから急にドンと激しい衝撃をうけた途端に
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥ってしまった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その電話は春日町二丁目の「近藤つね」という美容術師の
家
(
うち
)
からであったこと、美容術師は、一人の女弟子とともに住んでいるが、覆面の盗賊に入られて麻酔剤を嗅がされ、
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥ったから
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
同僚が
警笛
(
けいてき
)
を吹いたので、たちまち
宿直
(
しゅくちょく
)
の連中がかけつけて、
人事不省
(
じんじふせい
)
の警官をとりまいて、元気をつけてやった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのとき三人が三人とも、
熱砂
(
ねっさ
)
の上に、おっとせいがたたきつけられたようなかっこうで
人事不省
(
じんじふせい
)
におちいり、三十分ばかり死んだようになっていた。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「犯人というほどのものじゃないでしょうに。それに赤見沢博士は今も
人事不省
(
じんじふせい
)
を続けていて、何一つ出来ない」
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大暴風の中を突破して、やっと陸地をみつけて海岸に不時着した兵曹長は、そのまま、機上に
人事不省
(
じんじふせい
)
になってしまったことは、皆さんおぼえておいででしょう。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その時、お医者さまの話では、千蔵がここにかつぎこまれて後ずっと
人事不省
(
じんじふせい
)
になっていて、いくら注射をしても、気がつかないので、困っているということだった。
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“……さりながら、二少年は共に、
人事不省
(
じんじふせい
)
のありさまにて発見せられたるゆえ、われらはおどろき、手当を加えつつあるも、いまだにそのききめなきはざんねんなり。
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして
一札
(
いっさつ
)
を入れ、
人事不省
(
じんじふせい
)
の博士と
遺留
(
いりゅう
)
の
鞄
(
かばん
)
とを内容物もろとも引取っていったのであった。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「超人X号」は、今ちょうど気をうしなって
人事不省
(
じんじふせい
)
になっているようなものであった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は
人事不省
(
じんじふせい
)
から醒めて、生きている
悦
(
よろこ
)
びを、やっと感じたばかりだったが、その悦びは束の間に消え去った。いくら生きていても、棺桶の中に入れられていては、どうしようもない。
火葬国風景
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「心臓やその他……機上で
人事不省
(
じんじふせい
)
になるなんて、
醜態
(
しゅうたい
)
ですからねえ」
三重宙返りの記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ギネタ湾頭の
浅瀬
(
あさせ
)
に艇をのしあげて、ぼくたちは「やれやれ助かった」と思った。ぼくたちは艇をとび出して、水を渡って海岸の砂の上に馳けあがり、気のゆるみで二人とも、
人事不省
(
じんじふせい
)
に
陥
(
おちい
)
った。
恐竜艇の冒険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すると隆夫は、とつぜん首をしめられ、
人事不省
(
じんじふせい
)
に陥ったのだ。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
省
常用漢字
小4
部首:⽬
9画
“人事”で始まる語句
人事
人事係
人事葛藤