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二歩
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ふたあし
ふりがな文庫
“
二歩
(
ふたあし
)” の例文
森は
二歩
(
ふたあし
)
三歩前へ進み、母を始め姉や娘に向ッて、
慇懃
(
いんぎん
)
に挨拶をして、それから
平蜘蛛
(
ひらくも
)
のごとく
叩頭
(
じぎ
)
をしている勘左衛門に向い,
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
美女
一歩
(
ひとあし
)
に花が降り、
二歩
(
ふたあし
)
には微妙の
薫
(
かおり
)
、いま三あしめに、ひとりでに、楽しい音楽の聞えます。ここは極楽でございますか。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婆さんは一向頓着しない様子で、頬冠の手拭を取つて額の汗をふきながら、見れば
一歩
(
ひとあし
)
二歩
(
ふたあし
)
おくれながら歩いてゐる。
買出し
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
細君は入口から
二歩
(
ふたあし
)
ばかり進んで、箒をとんと突きながら「まだなんですか、あなた」と重ねて返事を承わる。この時主人はすでに目が
覚
(
さ
)
めている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さよう」というと南部集五郎は、
二歩
(
ふたあし
)
ほど前へ進み出たが、「
尾行
(
つ
)
けて参った、深川からな」
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
私は何の気なしに
一歩
(
ひとあし
)
礦場
(
こうじょう
)
の中へ踏込んだ。やはり
四辺
(
あたり
)
に人の気はいがせなかった。私は不思議に思って怖る怖る誰かに
怒鳴
(
どな
)
られはせぬかと心に不安を感じながら
二歩
(
ふたあし
)
、
三歩
(
みあし
)
中へ入って行った。
暗い空
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
通り過ぎて一二間行ったと思うと、女どもはげたげた笑った。清三がふり返ると一番年かさの女がお出でお出でをして笑っている。こっちでも笑って見せると、ずうずうしく
二歩
(
ふたあし
)
三歩
(
みあし
)
近寄って来て
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お源は水を汲んで
二歩
(
ふたあし
)
三歩
(
みあし
)
歩るき出したところであった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
と怒りに堪えず
二歩
(
ふたあし
)
三歩
(
みあし
)
行
(
ゆ
)
きに掛りますと
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
一歩
(
ひとあし
)
、
二歩
(
ふたあし
)
、
三歩
(
みあし
)
……。」
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
抱
(
だ
)
くと、
今度
(
こんど
)
は、
足
(
あし
)
が
突張
(
つツぱ
)
つて
動
(
うご
)
かない。
前
(
まへ
)
へ、
丁度
(
ちやうど
)
膝
(
ひざ
)
の
處
(
ところ
)
へ
重
(
おも
)
しが
掛
(
か
)
かる。が、それでも
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑて、ギツクリ/\
一歩
(
ひとあし
)
二歩
(
ふたあし
)
づゝは
歩
(
ある
)
く。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
帯の間から頭を出しているのは
懐剣
(
かいけん
)
らしい。男は
昂然
(
こうぜん
)
として、行きかかる。女は
二歩
(
ふたあし
)
ばかり、男の踵を
縫
(
ぬ
)
うて進む。女は
草履
(
ぞうり
)
ばきである。男の
留
(
とま
)
ったのは、呼び留められたのか。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ト
何處
(
どこ
)
へ
響
(
ひゞ
)
いて、
何
(
なに
)
に
通
(
かよ
)
ふか、
辿々
(
たど/\
)
しく
一歩
(
ひとあし
)
二歩
(
ふたあし
)
移
(
うつ
)
すに
連
(
つ
)
れて、キリ/\キリ/\と
微
(
かすか
)
に
廊下
(
らうか
)
の
板
(
いた
)
が
鳴
(
な
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
原口さんは、此時又
二歩
(
ふたあし
)
ばかり
後
(
あと
)
へ
退
(
さが
)
つて、美禰子と画とを
見較
(
みくら
)
べた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふと、
前刻
(
さっき
)
の花道を思い出して、どこで覚えたか、
魔除
(
まよ
)
けの
呪
(
じゅ
)
のように、わざと素よみの口の
裡
(
うち
)
で、
一歩
(
ひとあし
)
、
二歩
(
ふたあし
)
、擬宝珠へ寄った処は、あいてはどうやら鞍馬の山の
御曹子
(
おんぞうし
)
。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二歩
(
ふたあし
)
三歩
(
みあし
)
ひよろついてると
思
(
おも
)
ふと、
突然
(
いきなり
)
、「
何
(
なに
)
をするんだ。」といふ
者
(
もの
)
がある。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“二歩”の意味
《名詞》
二歩(にふ)
将棋の禁じ手の一つ。盤上ですでに自分の歩がある筋に、歩をもう一つ打つこと。これを行うと、反則負けとなる。
(出典:Wiktionary)
“二歩”の解説
二歩(にふ)とは、自分の歩兵が配置されている筋に、持ち駒の歩兵を打つ手のこと。将棋の禁じ手の一つである。
(出典:Wikipedia)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“二歩”で始まる語句
二歩三歩
二歩許
二歩金