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中高
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なかだか
ふりがな文庫
“
中高
(
なかだか
)” の例文
中高
(
なかだか
)
の顏、大きい眼、何處までも知的で、透明でそしてイヤ味のない女ですが、世馴れた三十女らしく、言葉の端々、身じろぎの節々に
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小山君、よく見給え、玉子を皿の上へ割ってみて
黄身
(
きみ
)
がこの通り
中高
(
なかだか
)
に盛上っていて白身も二段か三段に高くなっているのは新しい証拠だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ひどく面やつれのした
中高
(
なかだか
)
な顔で、額にも頬にも皺が寄り、胸は病気のせいか瘠せて薄くなり、腹はどの水死人にもあるように肥満してはいない。
顎十郎捕物帳:03 都鳥
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
元来ぴしゃんこな鼻だったら缺けていてもそう
可笑
(
おか
)
しくはないが、
中高
(
なかだか
)
な、
秀
(
ひ
)
いでた容貌、———当然中央に彫刻的な隆起物が
聳
(
そび
)
えているべき顔が
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
中高
(
なかだか
)
に造りし「ショッセエ」道美しく切株残れる麦畑の間をうねりて、をりをり水音の耳に入るは、
木立
(
こだち
)
の
彼方
(
あなた
)
を流るるムルデ河に近づきたるなるべし。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
「先生、お
寝
(
やす
)
みですか」と言いながら私の
室
(
へや
)
にはいって来たのは六蔵の母親です。背の低い、
痩形
(
やせがた
)
の、頭の
小
(
ち
)
さい、
中高
(
なかだか
)
の顔、いつも歯を染めている昔ふうの
婦人
(
おんな
)
。
春の鳥
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
鬘
(
かつら
)
の様に綺麗に光らせた
頭髪
(
かみ
)
の下に、
中高
(
なかだか
)
の
薤形
(
らっきょうがた
)
の青ざめた顔、細い眼、立派な口髭で
隈
(
くま
)
どった真赤な
脣
(
くちびる
)
、その脣が不作法につばきを飛ばしてバクバク動いているのだ。
白昼夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
形は主として丸い
中高
(
なかだか
)
の、今謂う
鏡餅
(
かがみもち
)
のなりに作るので、或いはまたその名をオスガタとも呼んでいる。オスガタは御姿、すなわち色々の物の形という意味かと思われる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
すると
中高
(
なかだか
)
になった噴き井の水に、意外にも誰か人の姿が、
咄嗟
(
とっさ
)
に
覚束
(
おぼつか
)
ない影を落した。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その文庫というのは、
頃合
(
ころあい
)
の
手匣
(
てばこ
)
で、深さも相応にあり、
蓋
(
ふた
)
は
中高
(
なかだか
)
になっていて柔かい円みがついている。蓋の表面には、少し低めにして、おもいきり大きい
銀泥
(
ぎんでい
)
の月が出してある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
神田川の
裾
(
すそ
)
になった
川面
(
かわづら
)
に
微藍
(
うすあい
)
の色をした
潮
(
うしお
)
が
中高
(
なかだか
)
にとろりと
湛
(
たた
)
えて、客を乗せた一
艘
(
そう
)
の
猪牙船
(
ちょきぶね
)
が大川の方へ出ようとして、
櫓
(
ろ
)
の
痕
(
あと
)
を泥絵の絵具のように一筋長く
印
(
いん
)
しているのが見えた。
鼓の音
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
容貌は非常に高尚で、キッパリした富士額、
細面
(
ほそおもて
)
で
中高
(
なかだか
)
の顔、地蔵眉、澄み切った眼——といって決して冷淡ではなく、あまりに邪心がないために、一点の濁りさえ見られないのである。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
紫玉は、
中高
(
なかだか
)
な顔に、深く月影に透かして
差覗
(
さしのぞ
)
いて、
千尋
(
ちひろ
)
の
淵
(
ふち
)
の
水底
(
みなそこ
)
に、いま落ちた玉の緑に似た、門と柱と、
欄干
(
らんかん
)
と、あれ、森の
梢
(
こずえ
)
の
白鷺
(
しらさぎ
)
の影さへ宿る、
櫓
(
やぐら
)
と、窓と、
楼
(
たかどの
)
と、美しい
住家
(
すみか
)
を
視
(
み
)
た。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒い髪の毛をぴったりときれいに分けて、
怜
(
さ
)
かしい
中高
(
なかだか
)
の
細面
(
ほそおもて
)
に、健康らしいばら色を帯びた
容貌
(
ようぼう
)
や、甘すぎるくらい人情におぼれやすい殉情的な性格は、葉子に一種のなつかしさをさえ感ぜしめた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
背丈の細りと高い
肉附
(
にくづき
)
の彫刻的に締つた
中高
(
なかだか
)
な顔の老婦人である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
われはメエルハイムとともに大隊長の
後
(
しりえ
)
につきて、こよいの宿へいそぎゆくに、
中高
(
なかだか
)
につくりし「ショッセエ」道美しく切株残れる麦畑の間をうねりて、おりおり水音の耳に入るは
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼等は
倭衣
(
しずり
)
の肩を並べて、絶え間なく飛び
交
(
か
)
う
燕
(
つばくら
)
の中を山の方へ歩いて行った。後には若者の投げた椿の花が、
中高
(
なかだか
)
になった噴き井の水に、まだくるくる廻りながら、流れもせず浮んでいた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“中高”の意味
《名詞》
中高(ちゅうこう)
中学校と高等学校。
程度が中程度と高い程度。
(出典:Wiktionary)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
“中高”で始まる語句
中高音