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中啓
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ちゅうけい
ふりがな文庫
“
中啓
(
ちゅうけい
)” の例文
それがややしばらく続いた
後
(
のち
)
、和尚は
朱骨
(
しゅぼね
)
の
中啓
(
ちゅうけい
)
を挙げて、女の言葉を
遮
(
さえぎ
)
りながら、まずこの子を捨てた訳を話して聞かすように促しました。
捨児
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見合
(
みあい
)
の
時
(
とき
)
の
良人
(
おっと
)
の
服装
(
ふくそう
)
でございますか——
服装
(
ふくそう
)
はたしか
狩衣
(
かりぎぬ
)
に
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いて、お
定
(
さだ
)
まりの
大小
(
だいしょう
)
二腰
(
ふたこし
)
、そして
手
(
て
)
には
中啓
(
ちゅうけい
)
を
持
(
も
)
って
居
(
お
)
りました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
烏帽子
(
えぼし
)
がまがり、
中啓
(
ちゅうけい
)
が、飛んだ。と、吉良は、美濃守に受けとめられて、すうっと、
労
(
いた
)
わるように、抱き下ろされていた。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
禰宜 (略装にて)いや、これこれ(
中啓
(
ちゅうけい
)
を
挙
(
あ
)
げて、二十五座の
一連
(
いちれん
)
に
呼掛
(
よびか
)
く)
大分
(
だいぶ
)
日もかげって参った。いずれも一休みさっしゃるが
可
(
よ
)
いぞ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
憶
(
おぼ
)
えが悪いといっては、琵琶の
撥
(
ばち
)
で打たれ、
節語
(
ふしがた
)
りに、東国
訛
(
なま
)
りが抜けぬといっては、お手の
中啓
(
ちゅうけい
)
(半開きの扇)を、この
盲
(
めしい
)
の顔へ
抛
(
ぶ
)
つけられたり……
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
眉太く頬の肉の厚い、逞しい僧は館の
主
(
あるじ
)
、すなわち定遍僧都であったが、脇息により
中啓
(
ちゅうけい
)
を突き、鬼火の姥と範覚と、大弥太とをこもごも眺めながら
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この唄とともに、
中啓
(
ちゅうけい
)
の舞が初まるのでございますが、さすがに、名優の至芸と申すのでございましょうか、鐘にうらみの妄執が、浸みでているようでございます。
京鹿子娘道成寺
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
団十郎の秀吉、菊五郎の柴田勝家が呼びもので、これも日々の大入りであったが、この焼香場で勝家が無念のあまりに我が持っている
中啓
(
ちゅうけい
)
をひき裂くくだりがある。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
狩衣
(
かりぎぬ
)
、
差貫
(
さしぬき
)
ようのもの、
白丁
(
はくちょう
)
にくくり
袴
(
ばかま
)
、或いは
半素袍
(
はんすおう
)
角頭巾
(
かくずきん
)
、
折烏帽子
(
おりえぼし
)
に
中啓
(
ちゅうけい
)
、さながら能と
神楽
(
かぐら
)
の衣裳屋が引越しをはじめたようにゆるぎ出すと、笛と大拍子大太鼓がカンラカンラ
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すると、大名の人形が、
左手
(
ゆんで
)
を小さ
刀
(
がたな
)
の
柄
(
つか
)
にかけながら、
右手
(
めて
)
の
中啓
(
ちゅうけい
)
で、与六をさしまねいで、こう云う事を云いつける。
野呂松人形
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、いう歌詞がございますが、ここで、白拍子が冠っている金烏帽子を、手にもつ、
中啓
(
ちゅうけい
)
で跳ね上げるところがございます。ところが、この前後で、踊っていらっしゃる半四郎師匠が
京鹿子娘道成寺
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
先
(
ま
)
ず
私
(
わたくし
)
の
服装
(
みなり
)
が
瞬間
(
しゅんかん
)
に
変
(
かわ
)
りましたが、
今日
(
きょう
)
は
平常
(
いつも
)
とは
異
(
ちが
)
って、
身
(
み
)
には
白練
(
しろねり
)
の
装束
(
しょうぞく
)
、
手
(
て
)
には
中啓
(
ちゅうけい
)
、
足
(
あし
)
には
木
(
き
)
の
蔓
(
つる
)
で
編
(
あ
)
んだ一
種
(
しゅ
)
の
草履
(
ぞうり
)
、
頭髪
(
かみ
)
はもちろん
垂髪
(
さげがみ
)
……
甚
(
はなは
)
ださッぱりしたものでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
姉小路少将は、持っていた
中啓
(
ちゅうけい
)
で受け止めたけれども、それは何の
効
(
ききめ
)
もない、
横鬢
(
よこびん
)
を一太刀なぐられて血は満面に
迸
(
ほとばし
)
る。二の太刀は胸を横に、充分にやられた。それでも豪気の少将は屈しなかった。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と叫ぶと謙信は
中啓
(
ちゅうけい
)
をトンと床へ突いた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
中啓
(
ちゅうけい
)
を」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“中啓”の意味
《名詞》
儀式に使用する閉じても上部が開いた状態の扇。
(出典:Wiktionary)
“中啓”の解説
中啓(ちゅうけい)とは、扇の一種。末広(すえひろ)ともいう。
(出典:Wikipedia)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
啓
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
“中啓”で始まる語句
中啓様