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りやうがん
語句 | 割合 |
兩眼 | 62.5% |
両岸 | 18.8% |
兩岸 | 12.5% |
両眼 | 6.3% |
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爾時であつた。あの
四谷見附の
火の
見櫓は、
窓に
血をはめたやうな
兩眼を
睜いて、
天に
冲する、
素裸の
魔の
形に
變じた。
雨が
霽れると水に濡れた家具や
夜具蒲団を初め、何とも知れぬ
汚らしい
襤褸の数々は旗か
幟のやうに
両岸の屋根や窓の上に
曝し出される。
月の
世界と
成れば、
野に、
畑に、
山懷に、
峰の
裾に、
遙に
炭を
燒く、それは
雲に
紛ふ、はた
遠く
筑摩川を
挾んだ、
兩岸に、すら/\と
立昇るそれ
等の
煙は、
滿山の
冷き
虹の
錦の
裏に
へえゝ……
成程……
是は……あゝ(
両手を
合せ
拝み)
有難う
存じます、
南無薬師瑠璃光如来、お
庇陰を
以ちまして
両眼とも
明かになりまして、誠に
有難う
存じます……
成程ウ
是は手でございますか。