“まちい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
町醫50.0%
町医50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかで、内安堂寺町うちあんだうじまち町醫まちい中田玄竹なかだげんちくだけが、ひどくつて、但馬守たじまのかみこゝろ玄竹げんちくまるあたまなければ、けつしてうごくことがなくなつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
かうぶるに及んでは僞りてのがるゝみちなくかざつておほべきの理なくされば大岡越前守殿の裁許さいきよあづかりし者其善惡そのぜんあく邪正じやせいわかたざるなしじつ賢奉行けんぶぎやうとやいつつべし仰々そも/\村井長庵といふは麹町かうぢまち三丁目に町醫まちいと成つて世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
江戸えどからあたらしく町奉行まちぶぎやうとして來任らいにんしてから丁度ちやうど五ヶげつるもの、くもの、しやくさはることだらけのなかに、町醫まちい中田玄竹なかだげんちく水道すゐだうみづ産湯うぶゆ使つかはない人間にんげんとして
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
以て奉願上ねがひあげたてまつり候一赤坂傳馬町長助店道十郎後家光奉申上候さんぬる寶永七年八月廿八日拂曉ふつげうしばふだつじに於て麹町三丁目町醫まちい村井長庵弟十兵衞國元くにもとへ出立仕候せつ人手ひとでかゝり相果候其場そのばに私しをつと道十郎所持印付しるしつきかさすて有之候より道十郎へ御疑念ごぎねん相掛あひかゝり候哉其節の御月番中山出雲守樣御奉行所へ夫道十郎儀病中びやうちう御召捕おめしとりに相成入牢じゆらうおほせ付けられ候處御吟味中牢死仕つり死骸の儀は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
子にもせよ甥にもせよ、独美の血族たる京水は宗家をぐことが出来ないで、自立して町医まちいになり、下谷したや徒士町かちまち門戸もんこを張った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その頃牛込の神楽坂かぐらざかに榎本という町医まちいがあった。毎日門前に商人が店を出したというほど流行したが、実収の多いに任して栄耀えように暮し、何人もめかけを抱えて六十何人の児供こどもを産ました。
この年に躋寿館せいじゅかんで書を講じて、陪臣町医まちいに来聴せしむる例が開かれた。それが十月で、翌十一月に始てあらたに講師が任用せられた。はじめ館には都講とこう、教授があって、生徒に授業していたに過ぎない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)