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せいきう
立つ
前の
晩に、
父は
宗助を
呼んで、
宗助の
請求通り、
普通の
旅費以外に、
途中で二三
日滯在した
上、
京都へ
着いてからの
當分の
小遣を
渡して
「
※今一
枚くんねえか」
與吉は
流し
元に
手を
動かして
居るおつぎへ
極めて
小さな
聲で
請求した。
歸るときに、
小六は
袂から
半紙を
何枚も
出して、
缺席屆が
入用だから
是に
判を
押して
呉れと
請求して、
僕は
退學か
在學か
片が
付く
迄は
勉強が
出來ないから
歸りがけに
玄關脇の
藥局で、
粉藥の
儘含嗽劑を
受取つて、それを百
倍の
微温湯に
溶解して、一
日十
數回使用すべき
注意を
受けた
時、
宗助は
會計の
請求した
治療代の
案外廉なのを
喜んだ。
九二井臼の
力はた
款すに
足らざれども、
己が心なり。いやしみ給ふことなかれ。赤穴
猶答へもせで、
長嘘をつぎつつ、しばししていふ。賢弟が
信ある
饗応をなどいなむべきことわりやあらん。