“ねだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
強請58.9%
根太28.6%
根絶2.7%
強情1.8%
強求0.9%
催促0.9%
寐出0.9%
寢溜0.9%
床板0.9%
懇話0.9%
根足0.9%
0.9%
請求0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今度私磯野さんに芝居をおごって頂きましょう。ねえお庄ちゃんいいでしょう。」お増は帰りがけに、甘い調子で磯野に強請ねだった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それでこの家の根太ねだにまさかひびも入りますまいからね。ご随意にせりふの一つぐらい言ってご覧になるのも結構でしょうよ。
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この間諜団の一味徒党を一人残らず探し出して、根絶ねだやしにし、父の無念をはらさなければなりません
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
夫人 ……あとで強情ねだられたって、それまでの事だわね。——では、約束をしたものだから、ほんとうに打ってよ。我慢をおし。(雨傘にて三つ四つ。と続けさまに五つ六つ。)
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それも無い物ねだりで、有る結構な干菓子は厭で、無い一文菓子が欲しいなどと言出して、母に強求ねだるが、許されない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
祖母に強求ねだる、一寸ちょっと渋る、首玉くびったまかじいて、ようようと二三度鼻声で甘垂あまたれる、と、もう祖母は海鼠なまこの様になって、およし——母の名だ——彼様あんなに言うもんだから、買って来てお遣りよ、という。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
……今日こそわたくし催促ねだります!
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
醫者いしやつてね。昨夜ゆうべくすりいたゞいてから寐出ねだして、いまになつてもめませんが差支さしつかへないでせうかつていてれ」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
壁も天井もすすけて、床板ねだも抜けた処さえあるらしいが、隅々まで綺麗きれいに片づいていて、障子や襖紙ふすまがみの破れも残らず張ってあるなど
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
懇話ねだつて買つて貰ふたる博多に繻子に未練も無し、三枚重ねに忍ばるゝ往時むかしは罪の無い夢なり、今は苦労の山繭縞やままゆじま、ひらりと飛ばす飛八丈此頃好みし毛万筋けまんすぢ、千筋百筋気は乱るとも夫おもふは唯一筋
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
私に金をねだるのさ、見ると可哀そうな乞食なので、いくらか金をれてやると、持っていた包を差し出して私に呉れるというじゃないか。私が不用いらないと断っても、どうしても取れっていうのだよ。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
其位のことで勘免かんべんして呉れたのは、実に難有い。早速阿爺おやぢの方へ請求ねだつてやつたら、阿爺も君、非常に喜んでね、自身で長野迄出掛けて来るさうだ。いづれ、其内には沙汰があるだらうと思ふよ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)