強求ねだ)” の例文
それも無い物ねだりで、有る結構な干菓子は厭で、無い一文菓子が欲しいなどと言出して、母に強求ねだるが、許されない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
祖母に強求ねだる、一寸ちょっと渋る、首玉くびったまかじいて、ようようと二三度鼻声で甘垂あまたれる、と、もう祖母は海鼠なまこの様になって、およし——母の名だ——彼様あんなに言うもんだから、買って来てお遣りよ、という。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)