“しんじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シンジ
語句割合
心耳32.1%
心事28.6%
神璽14.3%
神事3.6%
臣事3.6%
鍼治3.6%
信次1.8%
信二1.8%
信治1.8%
宍道1.8%
新字1.8%
神子1.8%
秦時1.8%
1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
麹町三番町の屋敷まちには、かしぎのけむりが鬱蒼うっそうたる樹立ちにからんで、しいんと心耳しんじに冴えわたるしずけさがこめていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
妥協という漢語がこの場合いかに不釣合に聞こえようとも、その時の津田の心事しんじを説明するにはきわめて穏当であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことらは、ただちに内侍所ないしどころ(三種ノ神器をおく所)へすすみ、つつしんで神璽しんじ御鏡みかがみなどを捧持ほうじして、早よう車のうちへうつしたてまつれ。……また公敏きんとし季房すえふさなんどは、供の用意を
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土のもちつく神事しんじおそろし 同
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
とは云え一旦縁あってこの谿谷へ足を入れ弾正太夫に臣事しんじしたものは、義理のしがらみと慈悲の縄に体を十文字に縛られて身動きの出来ないその上に、おごそかの掟に頭上を押され
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此方こっちでも止しましょう、憚りながら零落しても岩村玄石だ、先年売込んだ名前があるから秘術鍼治しんじの看板をけさいすれば、五両や十両の金は瞬間またゝくまいって来るのは知れているが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なア可哀さうに、お前のアさんは死んだのぢや、もう乳は出ないんぢやよ、なア可哀さうに。」と言つて、今年六つになる信次しんじといふ与兵衛の孫は、その子猿の頭をでながら泣きました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
与兵衛よへゑ子猿こざるにはチヨンといふ名をつけました。家内中はみんなそのチヨンを大変大事にして可愛がりました。殊に信次しんじとは、まるで兄弟のやうにして毎日/\跳んだりねたりして一緒に遊びました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
もう十年ほど前にくなった大伯父の一人っ子におとこの子がある、十八で信二しんじって云う。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
鉄三郎が徳安とくあんと改め、維新後にまた磐と改めたのである。磐の嗣子信治しんじさんは今赤坂あかさか氷川町ひかわちょうの姉壻清水夏雲しみずかうんさんのもとにいる。三十九年には脩が入京して小石川こいしかわ久堅町ひさかたちょう博文館印刷所の校正係になった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大社たいしゃやしろの中の社であります。日本の最も古い建物の様式がここに見られます。宍道しんじ湖や中海なかうみの風光もこの国をどんなに美しくしていることでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
現在もっともひろく知られている名は大よそ三つ、その一つはオコまたはオーコ、これには木扁きへんに力という字をあてているが、おこは日本でつくった新字しんじというものであった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すぐその下にたって、仰いでみてやっと、聖母と神子しんじの彩色した像が分かるくらいでした。
「先生。さっそくでぶしつけでございますが、一つお伺いいたします。いったい『我』とはなんでございましょうか?」「とつ! 秦時しんじ𨍏轢鑚たくらくさん!」
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
扨津軽屋へ約束いたし候院之荘之古簾ふるすだれ、旧冬やう/\と得候故、船廻しにしんじ候。御届可被下候。後醍醐帝御旅館それがしが家に、今簾をかけ候。これは須磨などに行在処あんざいしよの跡とてかけ候を見及たるや。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)