信次しんじ)” の例文
「なア可哀さうに、お前のアさんは死んだのぢや、もう乳は出ないんぢやよ、なア可哀さうに。」と言つて、今年六つになる信次しんじといふ与兵衛の孫は、その子猿の頭をでながら泣きました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
与兵衛よへゑ子猿こざるにはチヨンといふ名をつけました。家内中はみんなそのチヨンを大変大事にして可愛がりました。殊に信次しんじとは、まるで兄弟のやうにして毎日/\跳んだりねたりして一緒に遊びました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)