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ききゆう
頓て
氣球はだん/\と
接近して、
丁度鐵車の
直上五十
呎ばかりになると、
空中から
大聲で
それより
海岸の
家は
沸くが
如き
騷ぎで、
種々評議の
結果、
此危急を
救ふには、
輕氣球を
飛ばすより
他に
策は
無いといふ
事に
定つたが、
氣球を
作る
事は
容易な
業ではない、
幸にも、
材料は
甞て
もし
右のような
火の
性質を
心得てゐると、
心の
落着も
出來るため、
危急の
場合、
機宜に
適する
處置も
出來るようにもなるものである。
この
爲に
兩少年は
各自の
家屋のみならず、
重幸少年の
如きは
隣接した
小學校と
二十戸の
民家とを
危急から
救ひ
得たのであつた。