頂戴ちようだい)” の例文
「お父様、どうしませう。ジウラさんがこのまゝ死にでもしたら、あたしが殺したやうなものですわ。どうかして頂戴ちようだいよ。早く/\」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
左樣さやうならばと挨拶あいさつすれば録之助ろくのすけかみづゝみをいたゞいて、お辭儀じぎまをはづなれど貴孃あなたのおよりくだされたのなれば、ありがた頂戴ちようだいしておもにしまする
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「さあきて頂戴ちようだい」にかはだけであつた。しか今日けふ昨夕ゆうべことなんとなくにかゝるので、御米およねむかひないうち宗助そうすけとこはなれた。さうしてすぐ崖下がけした雨戸あまどつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おつと、麦酒ビイルかい、頂戴ちようだいなべは風早の方へ、煮方はよろしくお頼み申しますよ。うう、好い松茸まつだけだ。京でなくてはかうは行かんよ——中が真白ましろで、庖丁ほうちようきしむやうでなくては。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
此人このひとはじめは大藏省おほくらしやう月俸げつぽうゑん頂戴ちようだいして、はげちよろけの洋服ようふく毛繻子けじゆす洋傘かうもりさしかざし、大雨たいうをりにもくるまぜいはやられぬ身成みなりしを、一ねん發起ほつきして帽子ぼうしくつつて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
叔母をばさん、ぢやこの屏風びやうぶ頂戴ちようだいしてきませう」とつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
佐「蒲田かまだ、君は好いたばこつてゐるぢやないか、一本頂戴ちようだい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ふたゝひそびれて御馳走ごちそうくり枝豆えだまめありがたく頂戴ちようだいをなしぬ。
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
頂戴ちようだいします」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)