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間々
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まま
ふりがな文庫
“
間々
(
まま
)” の例文
はや雲深く
扃
(
とざ
)
され、西穂高が
間々
(
まま
)
影を現わすより、
蒲田
(
がまた
)
谷へ下りかけた事と知れ、折り返して頂上に
出
(
い
)
で、東北へと尾根伝いに下る。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
小説なんかで見ると、動いたりすることも
間々
(
まま
)
あるらしい、などと思うと、蟹江はじっと辛抱できないような気持になってきます。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
これは僕自身にそういう経験があるのみならず、また他人に逢っても、自分みたいなことをやっているわいと感じたことが
間々
(
まま
)
あった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
日附
(
ひづけ
)
は書いてないが
墨色
(
すみいろ
)
も書体も一様でないところを見ると、一
時
(
じ
)
に書いたものでないことが明らかで、
間々
(
まま
)
聯絡
(
れんらく
)
がついている。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
君語つて曰く古めかしき
草花
(
そうか
)
は植木屋にたのみても
中
(
なか
)
には
間々
(
まま
)
その名をさへ忘れられしものなぞありて
可笑
(
おか
)
しと。さもあるべし。
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
しかし性質の根柢にある烈しいものが、
間々
(
まま
)
現われた。若い時には極度に苦しんだり悲しんだりすると、往々卒倒して感覚を失うことがあった。
私の父と母
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
地所や家作や、現金を持たぬ者は、焼け出された日から、全生活を
覆
(
くつがえ
)
されて、ドン底に
顛落
(
てんらく
)
したのは、
間々
(
まま
)
あった例です。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
序文は文章
雅馴
(
がじゆん
)
ならずして、
間々
(
まま
)
欧文を直訳せる如き語法を交へ、一見その伴天連たる西人の手になりしやを疑はしむ。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
間々
(
まま
)
女子供の声は聞えましたが、いったいにひっそりとして、格別の手配りがあろうとも思われず、風説はただ風説にすぎないかと存ぜられました
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
ふとした口論が、思わぬ犯罪をひき起すのは、
間々
(
まま
)
あること、女とて、恋には、男も及ばぬ暴挙をあえてするものだ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし同じ問題について、利益を受けようとしても、受けられない事が
間々
(
まま
)
あったといわなければならない。先生の談話は時として
不得要領
(
ふとくようりょう
)
に終った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同じ値段で相当良否の別がある場合が
間々
(
まま
)
あるのであるから、まず物を見てよいと認識して後、はじめて買いものをする習慣をつけることが肝要である。
味覚馬鹿
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
一、初学の人にして
譬喩
(
ひゆ
)
、難題、
冠附
(
かむりづけ
)
、冠履、
回文
(
かいぶん
)
、
盲附
(
めくらづけ
)
俳句、時事雑詠等の俳句をものせんとする人
間々
(
まま
)
あり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
多くの男の作家志望者の中に
間々
(
まま
)
あるように出世の近路をあがき求めて千鶴子が×さんや×氏に出入りした。
沈丁花
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
三時ごろからしばらくの間
斜
(
はす
)
に差し込む西日の影は、かなり暑かった。お庄は芳太郎の昼寝をしている側で、自分もぐったり眠ってしまうようなことが
間々
(
まま
)
あった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかし、絹を先方から持ちこまれて、自然それに画を描かなければならないことが
間々
(
まま
)
あります。
迷彩
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
不意に人に突き当られて
吃驚
(
びっくり
)
することが
間々
(
まま
)
あり、そのたびに、また始まったなと思う。
第四次元の男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
然るを、世の通ぜざるもの、
間々
(
まま
)
これを疑うあり。蓋し又
陋
(
せま
)
しと謂つべし(謹聴々々)。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
それはこの話しっぷりでもいくらか判るでしょうが、
丁寧
(
ていねい
)
な言葉を使っているかと思うと、すぐまた乱暴な言葉が出てしまう。そのため外交に廻ってても人を怒らすことが
間々
(
まま
)
あった。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
というのは、物を書く人が彼等の著書の中の人物に、たまたま実在する人の名前をつけたがために、大変厄介なことになるような場合が
間々
(
まま
)
あるということを、私はよく知っているから。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
導者さきに我あとにたゞふたり登りゆきし
徑路
(
こみち
)
よりは
間々
(
まま
)
大いなるべし —二四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ところが、私はその程度を越すことが
屡々
(
しばしば
)
ある。いゝ草鞋だ、捨てるのが惜しい、と思ふと、二日も三日も、時とすると四五日にかけて一足の草鞋を穿かうとする。そして
間々
(
まま
)
足を痛める。
樹木とその葉:02 草鞋の話旅の話
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
こういった色合いは、あの、ふだんは至っておとなしいが日曜だと
間々
(
まま
)
酔っぱらう連中を見受ける
衛戍兵
(
えいじゅへい
)
の
著
(
き
)
ている古い軍服によくあるものだ。画面を補うために、雄鶏も一羽ちゃんと登場していた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
あてがった積りの大人たちもここに至ってすこぶる
当惑
(
とうわく
)
した毎夜おそくまで琴や三味線の音が聞えるのさえやかましいのに
間々
(
まま
)
春琴の
激
(
はげ
)
しい語調で叱り飛ばす声が加わりその上に佐助の泣く声が夜の
更
(
ふ
)
けるまで耳についたりするのであるあれでは
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ちょっと聞くともっともらしく思うこともあるが、翻訳のやり方によってははなはだもっともでない実行に現れることが
間々
(
まま
)
ある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
こうしたことは、
間々
(
まま
)
ある習いとは云いながら、彼等の様に、双生児でもないのに、双生児と間違う程も似ているというのは、
一寸
(
ちょっと
)
珍らしい事でした。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一、
雑
(
ぞう
)
の句は四季の聯想なきを以て、その意味浅薄にして
吟誦
(
ぎんしょう
)
に
堪
(
た
)
へざる者多し。ただ勇壮高大なる者に至りては必ずしも四季の変化を待たず。故に
間々
(
まま
)
この種の雑の句を見る。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
論者、
間々
(
まま
)
、
或
(
あるい
)
は少年子弟の自治の精神を涵養し、その活溌の気象を発揚するを喜びず、
強
(
しい
)
てその
輩
(
やから
)
を
駆
(
かり
)
てこれを或る
狭隘
(
きょうあい
)
なる範囲内に入れ、その精神を
抑
(
おさ
)
え、その気象を制せんと欲するものあり。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
してみると君が試験に
狡猾
(
ずる
)
をしたのは、親孝行のためにしたというのか、「そうでござります」という。こういうことは
間々
(
まま
)
ある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
世間にはそうした男が
間々
(
まま
)
あるものですが、妙に、いろいろな暗黒面に通じていて、例えば、どこそこの女優なら、どこそこの
家
(
うち
)
へ行けば話がつくとか
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自
(
うぬ
)
ぼれ過ぎた為めに飛んだ失敗を演じる例は、世に
間々
(
まま
)
あることですけれど、これはまた自ぼれのなさ過ぎた為の悲劇です。何という本意ないことでしょう。
日記帳
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
本を見ても、人に聞いても、夢遊病者の殺人というのは
間々
(
まま
)
ある事らしい。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
〔註、所謂
暹羅
(
シャム
)
の兄弟に類する
癒合双体
(
ゆごうそうたい
)
の生存を保ちし例は、
間々
(
まま
)
なきにあらねど、この記事の主人公の如きは、医学上甚だ
解
(
かい
)
し難き点あり。賢明なる読者は、已にある秘密を推し給いしならん〕
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
々
3画
“間々”で始まる語句
間々田