銀行ぎんかう)” の例文
銀行ぎんかうよこにして、片側かたがははら正面しやうめんに、野中のなか一軒家いつけんやごとく、長方形ちやうはうけいつた假普請かりぶしん洋館やうくわん一棟ひとむねのきへぶつつけがきの(かは)のおほきくえた。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このおとうと卒業後そつげふご主人しゆじん紹介せうかいで、ある銀行ぎんかう這入はいつたが、なんでもかねまうけなくつちや不可いけないと口癖くちくせやうつてゐたさうで、日露戰爭後にちろせんさうごもなく、主人しゆじんめるのもかずに
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さうしたならば銀行ぎんかうかねる、れば金利きんりあがる。あるひとが十三ゑん五十せんかねつてつたとすると、其金そのかねが一ゑん割合わりあいる。さうしたならばそれだけ其人そのひとちから減少げんせうするわけである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
いま兜町かぶとちやう山一商會やまいちしやうくわい杉野喜精氏すぎのきせいしは、先生せんせい舊知きうちで、その時分じぶん名古屋なごや愛知銀行あいちぎんかうの——うもわたしあま銀行ぎんかうにはゆかりがないから、やくづきはなんといふのからないが
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
休業きうげふのはりふだして、ぴたりととびらをとざした、なんとか銀行ぎんかう窓々まど/\が、觀念くわんねんまなこをふさいだやうに、灰色はひいろにねむつてゐるのを、近所きんじよ女房かみさんらしいのが、しろいエプロンのうすよごれた服裝なり
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)