野草のぐさ)” の例文
右近うこんの馬場を右手めてに見て、何れ昔は花園はなぞのの里、霜枯しもがれし野草のぐさを心ある身に踏みしだきて、太秦うづまさわたり辿たどり行けば、峰岡寺みねをかでらの五輪の塔、ゆふべの空に形のみ見ゆ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そのかははゞもつとひろく、まちもつとちかく、やゝせまところがう屋敷田畝やしきたんぼとなへて、雲雀ひばり巣獵すあさり野草のぐさつみめうなり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
貧しい本所ほんじょの一区が此処ここに尽きて板橋のかかった川向うには野草のぐさおおわれた土手を越して、亀井戸村かめいどむらの畠と木立こだちとが美しい田園の春景色をひろげて見せた。蘿月は踏みとどまって
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
松林まつばやしなかに、まんは、母親ははおやならべてほうむられました。その土色つちいろのまだあたらしいはかまえには、ごとに、だれがあげるものか、いつもいきいきとした野草のぐさはなや、山草やまぐさ手向たむけられていました。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
野草のぐさあつきあくがれに
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
よる野草のぐさにはひめぐり
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
貧しい本所ほんじよの一此処こゝきて板橋いたばしのかゝつた川向かはむかうには野草のぐさおほはれた土手どてを越して、亀井戸村かめゐどむらはたけ木立こだちとが美しい田園の春景色はるげしきをひろげて見せた。蘿月らげつは踏みとゞまつて
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
よる野草のぐさにはひめぐり
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
肥えし野草のぐされし道暗き林にはびこるを
肥えし野草のぐさのかげに君は逝き
むぎ野草のぐさをふみて