“のぐさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
野草90.0%
野臭10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貧しい本所ほんじょの一区が此処ここに尽きて板橋のかかった川向うには野草のぐさおおわれた土手を越して、亀井戸村かめいどむらの畠と木立こだちとが美しい田園の春景色をひろげて見せた。蘿月は踏みとどまって
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
松林まつばやしなかに、まんは、母親ははおやならべてほうむられました。その土色つちいろのまだあたらしいはかまえには、ごとに、だれがあげるものか、いつもいきいきとした野草のぐさはなや、山草やまぐさ手向たむけられていました。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『……おるわ。来ておるわ』『あの憎げなるふてぶてしさよ』『思い上がりのいやしさを見られい』『見るも、野臭のぐさき男よの』『身は、風の前のともし灯とも知らいで』
かつは、世に聞いたこともない破格なる地下人ちげびと内昇殿ないしょうでんのおゆるし。われら雲上うんじょうに、かれら野臭のぐさい荒くれ者を、ただの一にんとて、同座あること、さきに古例なく、末のみだれもいかが。