トップ
>
重湯
>
おもゆ
ふりがな文庫
“
重湯
(
おもゆ
)” の例文
關取
(
せきとり
)
、ばんどり、おねばとり、と
拍子
(
ひやうし
)
にかゝつた
言
(
ことば
)
あり。
負
(
ま
)
けずまふは、
大雨
(
おほあめ
)
にて、
重湯
(
おもゆ
)
のやうに
腰
(
こし
)
が
立
(
た
)
たぬと
云
(
い
)
ふ
後言
(
しりうごと
)
なるべし。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
枕元の金盥には
重湯
(
おもゆ
)
とソップを水にひやしてあったが水は何度取り替えてもじきなまぬる湯の様になる。信光は母のすすめる重湯を嫌って
梟啼く
(新字新仮名)
/
杉田久女
(著)
島方の三人は、
重湯
(
おもゆ
)
をとるやら
粥
(
かゆ
)
をつくるやら、その間に
藜
(
あかざ
)
の葉の
摺餌
(
すりえ
)
をこしらえ、藤九郎の卵を吸わせ、一日中、病人の介抱に忙殺された。
藤九郎の島
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その後四五日は
重湯
(
おもゆ
)
ばかり
啜
(
すす
)
っていたので、腹は空いたらしかった。そのつど
賄
(
まかない
)
から届けてくる食事を見るたびに、順吉は不服そうな顔つきをした。
夕張の宿
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
いわんや普通の
素人
(
しろうと
)
は病人の食物に対して
平生
(
へいぜい
)
何の用意もなし、お
粥
(
かゆ
)
や
重湯
(
おもゆ
)
に責めらるる今の世の病人こそ
哀
(
あわ
)
れなれ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
幸子が午後から三時頃まで詰めていて帰って行ったあとで、雪子と「水戸ちゃん」とが
枕元
(
まくらもと
)
にい、お春が次の間の電気
火鉢
(
ひばち
)
で
重湯
(
おもゆ
)
を煮ている時であった
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
重湯
(
おもゆ
)
より食べられなくなっていたある時、おしまいの一口になって、ひょっとしたはずみに
匙
(
さじ
)
を火鉢の中へ落した実枝は、茶碗のままいねの口へ注ぎこんだ。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
森成さんがもう
葛湯
(
くずゆ
)
も
厭
(
あ
)
きたろうと云って、わざわざ東京から米を取り寄せて
重湯
(
おもゆ
)
を作ってくれた時は、重湯を生れて始めて
啜
(
すす
)
る余には大いな期待があった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
重湯
(
おもゆ
)
から
粥鶏卵
(
かゆたま
)
、それから普通食にと食事もだん/\進んで、二週間もたつと元気もすつかり恢復した。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
重湯
(
おもゆ
)
を飲む時に、「少し熱うございますか。」と問われると、「うむ。」と返事をした。「丁度宜しいでしょう。」と問われると、やはり「うむ。」と返事をした。
二つの途
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
晩は牛乳と
重湯
(
おもゆ
)
だけだった。傷にさわるといけないから形のあるものはたべられない。正三君はまたありがたくないお
相伴
(
しょうばん
)
をした。やりきれないと思ったが、そこを
辛抱
(
しんぼう
)
するのが忠義というものだ。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ソップと
重湯
(
おもゆ
)
だけですが両方ともよく食べなさいます」
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかるに
我邦
(
わがくに
)
の
有様
(
ありさま
)
は医師ですらまだ食物療法に注意する人が
寡
(
すくな
)
い位ですから
素人
(
しろうと
)
の家では病人があると何でもお
粥
(
かゆ
)
か
重湯
(
おもゆ
)
を食べさせて滋養物には玉子と牛乳を
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
重湯
(
おもゆ
)
でも少し飲んだら
好
(
い
)
いでしょう。
厭
(
いや
)
? でもそう何にも食べなくっちゃ
身体
(
からだ
)
が疲れるだけだから」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
看護婦は飲み残しの
重湯
(
おもゆ
)
をまた覗いてみた。それは朝からまだいくらも飲まれてはいなかった。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
重湯
(
おもゆ
)
か、
薄粥
(
うすがゆ
)
、
或
(
あるひ
)
は
麺麭
(
パン
)
を
少量
(
せうりやう
)
と
言
(
い
)
はれたけれども、
汽車
(
きしや
)
で、そんなものは
得
(
え
)
られなかつた。
乘通
(
のりとほ
)
しは
危險
(
きけん
)
だから。……で、
米原
(
まいばら
)
で
泊
(
とま
)
つたが、
羽織
(
はおり
)
も
着
(
き
)
ない
少年
(
せうねん
)
には、
粥
(
かゆ
)
は
煮
(
に
)
てくれぬ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
チキンブローの
重湯
(
おもゆ
)
冬付録 病人の食物調理法の「第二 チキンブローの重湯」
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
“重湯”の解説
重湯(おもゆ)は、伝統的な流動食の一種で、多量の水分を加えてよく煮た薄い粥の上澄み液のことをいう。
(出典:Wikipedia)
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
“重”で始まる語句
重
重畳
重宝
重々
重量
重石
重荷
重立
重箱
重大