運搬うんぱん)” の例文
それには例の工学博士バクスターの案で、食堂の大テーブルをさかさまに倒し、それをそりとなしたので運搬うんぱんはきわめて便利であった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
なにしろ椰子の葉は五メートル位のものは小さい方であったから、その新しい枯葉は小さく裂くことができないから、とても一人では運搬うんぱんができなかった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もしその十分の一の力を発揮はっきしえたなら、おそらく今日十五、六貫目かんめの我々の五体をもって、米の四、五ひょう朝飯前あさめしまえに二、三里の道を運搬うんぱんすることができよう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その食事さえ雨が降って車の輪が泥の中にうまって、馬の力ではどうしても運搬うんぱんができなかった事もある。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かようなおほきな巨石記念物きよせききねんぶつは、博物館はくぶつかん運搬うんぱんしてることはとうてい出來できませんから、そこにある模型もけい寫眞しやしんによつて、みなさんはその大體だいたいほかはありませんが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
丁度一学期がっき試験しけんんでその採点さいてんおわりあとは三十一日に成績せいせき発表はっぴょうして通信簿つうしんぼわたすだけ、わたくしのほうからえばまあそうです、農場のうじょう仕事しごとだってその日の午前でむぎ運搬うんぱんも終り
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
文庫の運搬うんぱんは大沢と恭一とが引きうけて、あすのうちにとりはこぶことになった。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
よくもかゝ絶島ぜつたうにかくまで整然せいぜんたる凖備じゆんび出來できことよとあやしまるゝばかりで、これしよ機械きかいしよ材料ざいりようは、すべて二ねん以前いぜんに、櫻木大佐さくらぎたいさ大帆船だいはんせんなみ江丸えまる搭載たうさいして、このしま運搬うんぱんきたつたもので
こんなことは、平常ふだんおおくあることでありません。汽車きしゃとおっていれば、汽車きしゃ運搬うんぱんされるのです。こうした、変事へんじがあったときは、みんながたすったり、ほねをおらなければならないのであります。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ゴルドンはみずから主となってだちょうの森へいってまきを採伐さいばつし、二頭のラマをつかって運搬うんぱんをしたので、六ヵ月分以上のまきの貯蓄ができた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
こんなおほきい石棺せきかんになりますと、そのいし運搬うんぱんするのに不便ふべんでありますから、いしのまはりにいぼのような突起とつき數箇所すうかしよけて、はこぶのにつごうよくしてをりますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
全隊員は、ルナビゥム運搬うんぱんで疲れ切った身体を自ら叩きはげまして配置につき、死力をつくして急ぎ出発準備をととのえにかかる。これには、まだいささか時間が必要であった。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ああくたびれた。なかなか運搬うんぱんはひどいやな。」
セロ弾きのゴーシュ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
将来の住宅であるほらもきまった。つぎは、左門洞にのこしてきたぼくらの財産を、一日も早く運搬うんぱんしなければならない。晩餐ばんさん後、僕は一同にはかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかし、かようなおほきいいし運搬うんぱんするには、餘程よほど勞力ろうりよく必要ひつようであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)