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蹠
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あしのうら
ふりがな文庫
“
蹠
(
あしのうら
)” の例文
逆
(
ぎゃく
)
に受くる
膝頭
(
ひざがしら
)
のこのたびは、立て直して、長きうねりの
踵
(
かかと
)
につく頃、
平
(
ひら
)
たき足が、すべての
葛藤
(
かっとう
)
を、二枚の
蹠
(
あしのうら
)
に安々と始末する。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
更紗
(
さらさ
)
の衣裳の下から見える前足の
蹠
(
あしのうら
)
がうす赤い。——この鼠が、これから雑劇の
所謂
(
いわゆる
)
楔子
(
せっし
)
を演じようと云う役者なのである。
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
肋骨
(
あばら
)
の張りぐあいと言ったら、ちょっと考えも及ばないくらいで、
蹠
(
あしのうら
)
だってまんまるこくって、歩いても
地面
(
じべた
)
につかないような逸物なんだぜ!
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
答えると一緒に、奈世は夏でも脱がぬ白
足袋
(
たび
)
をぬぎにかかり、うつ伏せになったわしの
蹠
(
あしのうら
)
に上手に両足で乗って、交互にゆっくりと踏み始める。
面
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
けれどもその浮橋の上に乗ると、池水がじくじく
蹠
(
あしのうら
)
に
沁
(
し
)
みてそりゃ冷たいんですて。だからその浮橋の下は深い池だということがわかるでしょう。
不思議な国の話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
そしてどうかすると、こちらを狂人扱ひにしさうなので、月窓の母親は黙つて帰つたが、途中
蹠
(
あしのうら
)
は地に著かなかつた。
幽霊の芝居見
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そしてクリストフの室にはいりかけると、自分の素足の
蹠
(
あしのうら
)
に、いつもの
滑
(
なめら
)
かな冷たい床板の感触ではなしに、柔らかにつぶれる生暖かい
塵
(
ちり
)
を感じた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
座席の上に横坐りして絹靴下の
蹠
(
あしのうら
)
を広く一般に公開し、荷物棚から
真田紐
(
さなだひも
)
でつるした一個二
法
(
フラン
)
の貸し枕に
河童頭
(
かっぱあたま
)
をもたらせ、すやすやと熟睡する相好は
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
道形はあっても岩の破片が雪崩れかかっているので、其中へ大股に割り込むと
蹠
(
あしのうら
)
が刺されるようだ。それをかばって小走りに駆け下りる、今度は膝頭が痛い。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
へんにぷよ/\した
蹠
(
あしのうら
)
の肉とを胸の上に感じると、全く初めての出来事なので、奇妙のやうな、嬉しいやうな心地がして、真つ暗な中で手さぐりしながら頸のあたりを撫でゝやつた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかし私にはそれが何の役に立とう? 私はゴロッと仰向きに寝転んで、猫を顔の上へあげて来る。二本の前足を掴んで来て、柔らかいその
蹠
(
あしのうら
)
を、一つずつ私の
眼蓋
(
まぶた
)
にあてがう。快い猫の重量。
愛撫
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
顛倒
(
てんどう
)
して慌てるほど、
身体
(
からだ
)
のおしに重みがかかる、とその度に、ぐ、ぐ、と泣いて、口から
垂々
(
だらだら
)
と血を吐くのが、
咽喉
(
のど
)
に
懸
(
かか
)
り、胸を染め、乳の下を
颯
(
さっ
)
と流れて、仁右衛門の
蹠
(
あしのうら
)
に
生暖
(
なまあたたこ
)
う垂れかかる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蹠
(
あしのうら
)
で香ひを聞くもの、それは鼠のみではあるまい。
香ひの狩猟者
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そして
何
(
ど
)
うかすると、
此方
(
こつち
)
を
狂人
(
きちがひ
)
扱ひにしさうなので、月窓の
母親
(
おふくろ
)
は黙つて帰つたが、道々
蹠
(
あしのうら
)
は地に着かなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
〈ファブル・デゾップ〉の
蹠
(
あしのうら
)
に荊を刺したライオンのような、見るからに悲壮な歩きかたをしている。
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
へんにぷよ/\した
蹠
(
あしのうら
)
の肉とを胸の上に感じると、全く初めての出来事なので、奇妙のやうな、嬉しいやうな心地がして、真つ暗な中で手さぐりしながら頸のあたりを撫でゝやつた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかし、柔らかい
蹠
(
あしのうら
)
の、鞘のなかに隠された、
鉤
(
かぎ
)
のように曲った、
匕首
(
あいくち
)
のように鋭い爪! これがこの動物の活力であり、
智慧
(
ちえ
)
であり、精霊であり、一切であることを私は信じて疑わないのである。
愛撫
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
どんな
蹠
(
あしのうら
)
の丸い犬だろうが、いっさい御免を蒙ろうと肚をきめた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
可哀相
(
かはいさう
)
に
蹠
(
あしのうら
)
には日があたる。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
兎で辛抱出来るものなら、
女房
(
かない
)
は取らぬに越した事がない。
達
(
たつ
)
て取らなければならぬとすれば、履だけは穿かせないに限る。履は
険呑
(
けんのん
)
な上に
蹠
(
あしのうら
)
を台なしにする。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
……そのすべてから、むせっかえるような屠殺場の匂いがたちのぼっている。寝台と壁の間の床の上に、裸の人間の足……乾いて小さくしなびた老人の
蹠
(
あしのうら
)
がつきだされていた。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
へんにぷよぷよした
蹠
(
あしのうら
)
の肉とを胸の上に感じると、全く初めての出来事なので、奇妙のような、嬉しいような心地がして、真っ暗な中で手さぐりしながら
頸
(
くび
)
のあたりを
撫
(
な
)
でてやった。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
金の
蹠
(
あしのうら
)
をちらつかす。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
素脚で地べたに立つてゐる私の
蹠
(
あしのうら
)
に、まだそこばく残つてゐた真夏の汗臭い
余熱
(
ほとぼり
)
を一気に跳ね飛ばされて、初秋の溌剌たる健かさと明徹な冷つこさとが、そこらにふりかかるやうに感じたものだ。
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
温
(
ぬく
)
めよと云う
畏
(
かしこ
)
まって裾の方に
横臥
(
おうが
)
し懐を開いて彼女の
蹠
(
あしのうら
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
金
(
きん
)
の
蹠
(
あしのうら
)
をちらつかす
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蹠
(
あしのうら
)
と老人の結婚8・31(夕)
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
股
(
もゝ
)
が浮く、
蹠
(
あしのうら
)
が
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蹠
漢検1級
部首:⾜
18画
“蹠”を含む語句
対蹠
対蹠的
足蹠
対蹠点
對蹠的
先蹠
蹠下
蹠疵
蹠裏