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あしごしら
ふりがな文庫
“
足拵
(
あしごしら
)” の例文
背広の服で、
足拵
(
あしごしら
)
えして、
帽
(
ぼう
)
を
真深
(
まぶか
)
に、
風呂敷包
(
ふろしきづつみ
)
を小さく
西行背負
(
さいぎょうじょい
)
というのにしている。彼は名を
光行
(
みつゆき
)
とて、医科大学の学生である。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それにわざ/\
足拵
(
あしごしら
)
へなどをする
隙
(
ひま
)
があらうとも思へず、浪人者の岩根源左衞門は、相變らずの早寢で、外へ出た樣子もありません。
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼も
桶皮胴
(
おけがわどう
)
を着け、
足拵
(
あしごしら
)
えをしていた。代二郎を見てとび出そうとし、佐藤と井関がいるので、式台のところで踏み
止
(
とど
)
まった。
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おぬしは、覚悟して、旅支度もして来たろうが、わしはふだんのままじゃ。どこかで
足拵
(
あしごしら
)
えをせにゃならんが——」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
の好意を無にし給わじとのお心遣から、草鞋をお穿きになったお
足拵
(
あしごしら
)
えにも拘らせられず、それに召されて、午前六時四十分に古那屋を御出発になった。
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
足拵
(
あしごしら
)
えも厳重に、新しい
手拭
(
てぬぐい
)
を被り、赤い
襷
(
たすき
)
をかけて、ほの暗い道を、車を押して来るのでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
『ええ、十七日の十一時ごろから明け方へかけて土砂ぶり、ナポレオンの兵隊は
足拵
(
あしごしら
)
えがよくなかった——おまけに大きな溝がありましてね。いまそこへ行きますが。』
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
厳重にした
足拵
(
あしごしら
)
え、
甲斐甲斐
(
かいがい
)
しい旅装束、二日分の糧食を持ち、ポンと庭へ飛び下りた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
脚絆
(
きやはん
)
草鞋
(
わらぢ
)
の
足拵
(
あしごしら
)
へは、見てくればかり軽さうだが、当分は
御膝許
(
おひざもと
)
の日の目せえ、拝まれ無え事を考へりや、実は気も滅入つての、古風ぢやあるが一足毎に、後髪を引かれるやうな心もちよ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「せめて
合羽
(
かつぱ
)
なと——それに、
足拵
(
あしごしら
)
えもいたしたらどうじゃ。」
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えなどをする
隙
(
ひま
)
があろうとも思えず、浪人者の岩根源左衛門は、相変らずの早寝で、外へ出た様子もありません。
銭形平次捕物控:149 遺言状
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
殆んど
無反
(
むぞり
)
の長刀を差した一人(それは石黒半兵衛であったが)はべつとして、他の四人はみな
足拵
(
あしごしら
)
えをし、鉢巻、
襷
(
たすき
)
という周到な身支度をしていた。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
見ると、その又市は、いつの間にか、身軽い武装をして、
足拵
(
あしごしら
)
えも、そのまま、戦場へ出るように固めていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此時は
足拵
(
あしごしら
)
えがよかった為めに凍傷にも
罹
(
かか
)
らずに済んだが、一月の中旬、
金峰
(
きんぷ
)
山麓の増富鉱泉から、
木賊
(
とくさ
)
峠を踰えて
黒平
(
くろべら
)
へ出た時の旅では、何等の用意もしないで
冬の山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
股引
(
ももひき
)
の
足拵
(
あしごしら
)
えだし、腰達者に、ずかずか……と、もう寄った。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えをし、
襷
(
たすき
)
、鉢巻に、
袴
(
はかま
)
の
股立
(
ももだち
)
を取って、どんなにでも活躍ができる。が、万三郎はそうする暇がなかった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
のみならずみな非常時らしい
足拵
(
あしごしら
)
えをかため、町通りの肉屋、酒屋、寺子屋、何かの細工屋、髪結い
床
(
どこ
)
の軒先にまで、鎗立て、刀掛けが、植え並べてある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一種の洗練を感じさせます——それにしても
足拵
(
あしごしら
)
への嚴重さ。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
武蔵が、はて? ——と感じたわけは、怖ろしく
敏捷
(
びんしょう
)
なのと、黒
扮装
(
いでたち
)
とはいえ、
差刀
(
さしもの
)
の
鐺
(
こじり
)
や
足拵
(
あしごしら
)
えなど浮浪の徒や、ただの野武士とは、見えなかったからである。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喚いたのは役人らしい、
袴
(
はかま
)
をはき
足拵
(
あしごしら
)
えをして、刀を差していた。三十二三だろうか、町同心といった風で、眼つきはするどいがにがみばしった顔つきの、なかなか好男子だった。
秋の駕籠
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
周馬は、大丈夫——と見る、ソッと立って、
貫之堂
(
つらゆきどう
)
の端に腰をおろして、
足拵
(
あしごしら
)
えをなおしにかかった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さらに
侯健
(
こうけん
)
は、旗、よろい、かぶと、兵衣、すべて
足拵
(
あしごしら
)
えまでの将士の軍装を調製する。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えは、
草鞋
(
わらじ
)
股立
(
ももだち
)
、大刀に
反
(
そり
)
を打たせて、中の二、三名は、槍を横に抱えている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顔の見えないほど
眉深
(
まぶか
)
な笠をかぶっている。背の高い四十前後の武士である。身なりや
足拵
(
あしごしら
)
えから見ると、旅馴れている遊歴の武芸者らしい。後ろから見てもどことなくその体には
隙
(
すき
)
がない。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
服装は雑多だが、
足拵
(
あしごしら
)
えは、どれを見ても、
軽捷
(
けいしょう
)
に馴れた装いである。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
床几
(
しょうぎ
)
を借りうけて、
足拵
(
あしごしら
)
えを直している侍がいっているのである。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えはわらじ
膝行袴
(
たっつけ
)
、身軽にしたのはイザという場合の用意だ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当日の進退に、
足拵
(
あしごしら
)
えに、また、附近の木立の有無とか、太陽の方向によって、どっちへ敵を立たせて迎えるかなど、
尠
(
すくな
)
くもいきなり行って勝負にかかるよりは、作戦上にも心の余裕にも差があろう。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えは、もちろん、
草鞋
(
わらじ
)
——すこし
潤
(
しめ
)
してあるかに見える。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足拵
(
あしごしら
)
えなど、
中食
(
ちゅうじき
)
の折に茶屋などでととのえたがよかろう
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もちろん
足拵
(
あしごしら
)
えは長旅に耐えうる
八
(
や
)
ツ
乳
(
ち
)
の
麻沓
(
あさぐつ
)
だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
拵
漢検1級
部首:⼿
9画
“足”で始まる語句
足
足袋
足許
足下
足音
足掻
足駄
足利
足蹴
足跡