“西行背負”の読み方と例文
読み方割合
さいぎょうじょい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
背広の服で、足拵あしごしらえして、ぼう真深まぶかに、風呂敷包ふろしきづつみを小さく西行背負さいぎょうじょいというのにしている。彼は名を光行みつゆきとて、医科大学の学生である。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
せた鬱金うこんの風呂敷、真中まんなかを紐でゆわえた包を、西行背負さいぎょうじょいに胸で結んで、これも信玄袋を手に一つ。片手につえいたけれども、足腰はしゃんとした、人柄のいお爺様じいさま
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これも風呂敷包を中結なかゆわえして西行背負さいぎょうじょいに背負っていたが、道中みちなかへ、弱々と出て来たので、横に引張合ひっぱりあった杖が、一方通せん坊になって、道程標みちしるべの辻の処で、教授は足を留めて前へ通した。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)