“道程標”の読み方と例文
読み方割合
みちしるべ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左山中みち、右桂谷道、と道程標みちしるべの立った追分おいわけへ来ると、——その山中道の方から、脊のひょろひょろとした、あごとがった、せこけたじいさんの、すげの一もんじ笠を真直まっすぐに首に据えて
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「たとえ男結びだろうと、男がいた女の靴跡があろうとどうだろうと……、そんなものが、この底知れない事件で何の役に立つもんか。これはみな、犯人の道程標みちしるべにすぎないんだよ」と云ってから懶気ものうげな声で
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これも風呂敷包を中結なかゆわえして西行背負さいぎょうじょいに背負っていたが、道中みちなかへ、弱々と出て来たので、横に引張合ひっぱりあった杖が、一方通せん坊になって、道程標みちしるべの辻の処で、教授は足を留めて前へ通した。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)