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證人
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しようにん
王樣は
氣遣はしげに
白兎を
御覽になりました、
白兎は
低聲で、『
陛下は
此の
證人の
相手方の
證人を
詰問せらるゝ
必要があります』
盜みて同人へ送り彼の金を
騙取其後村方を
出奔致す
申合せの
文在しにより私し是を以て九助の
證人となり右の金子を
彼の
子もとんだ
運のわるい
詰らぬ
奴に
見込れて
可愛さうな
事をしたといへば、イヤあれは
得心づくだと
言ひまする、あの
日の
夕暮、お
寺の
山で
二人立ばなしをして
居たといふ
確かな
證人もござります
『
第一の
證人を
喚び
出せ』と
王樣が
申されました。
白兎は三
度喇叭を
吹いて『
第一の
證人!』と
聲をかけました。
御連申ただけもつけの幸ひ
案じるより
産が安いとは此事なるべしと
道々話し
乍馬喰町へぞ
歸りける是より長兵衞長八は
相談して大橋文右衞門の一件を
證人になりて訴へ出んと願書を
『
次なる
證人を
喚べ』それから
王樣は
低い
聲で
女王樣に、『
實際、あの、
御身は
次なる
證人の
相手方の
證人を
詰問しなければならない。
甚く
頭痛がして
來た!』
※らずもお光殿より尋ねられ
迂濶り口が
辷りしを
是非證人に
立べしとお光殿をば同道なし
其處に
居らるゝ長助殿に
談じ付られ
仕方もなく
斯樣のことに成たる
譯何樣ぞ勘辨して下されと兩手を
合せて
泪を