言傳ことづて)” の例文
新字:言伝
索搜たづね密々こつそり呼出よびだし千太郎に小夜衣よりの言傳ことづてくはしく語りおいらんは明てもくれても若旦那の事のみ云れて此頃はないてばつかり居らるゝを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「坊つちやん——の又七さんから、竹原屋のお姉樣に、相談し度いことがあるから、明日にも來てくれるやうにといふ言傳ことづてを頼まれましたので」
朝餉あさげはこんで料理方れうりかた水兵すいへいは、大佐たいさ外出ぐわいしゆつとき言傳ことづてだとて、ごとかたつた。
まれひたるうれしさにのみはこゝろも付かざりしが、むこよりの言傳ことづてとてなにこと口上こうじようもなく、無理むり笑顏ゑがほつくりながらそこしほれしところのあるはなに子細しさいのなくてはかなはず、父親てゝおやつくえうへ置時計おきどけいながめて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よろづの花に言傳ことづて
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
この家は裕福で召使も居り、奧では若い女共も二三人ジヤラジヤラして居る樣子、鬼一郎に逢はなくとも、言傳ことづてだけでも用事は濟んだわけです。
呼出よびいだし小夜衣よりの言傳ことづてと有し樣子やうす物語ものがたり文もこゝにとさし出せど手にだにとらず千太郎はそで振拂ふりはらひ立歸るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま店先みせさきれやらがよろしくふたとほかおんな言傳ことづてたではいか、いづれ面白おもしろことがあらうなんとだといふに、あゝ貴君あなたもいたり穿索せんさくなさります、馴染なじみはざら一めん手紙てがみのやりとりは反古ほごとりかヘツこ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
店から主人の言傳ことづてを持つて夜遲くやつて來ましたが、丁度、二人の妾お關とお吉の、深刻しんこく極まるむしり合ひの仲裁をして、用心棒代りに泊り込んだ晩の出來事だつたのです。
さして立歸りやがて近所の湯屋ゆやの二階へ上りて夫となく樣子を聞糺きゝたゞし夫より近邊きんぺん割烹店れうりやへ上りひそかに千太郎を呼び出し初めて面會めんくわいに及び段々だん/\の挨拶も終りければ彼小夜衣よりの言傳ことづておちもなく物語りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「八から言傳ことづては無かつたのか」