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虎視眈々
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こしたんたん
ふりがな文庫
“
虎視眈々
(
こしたんたん
)” の例文
だから海底超人の母国は、この宇宙に一つの遊星となって、いまも
虎視眈々
(
こしたんたん
)
として、第二の植民をおこなおうとしているかもしれない
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
東国、北国の源氏が
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と都に目を向け、牙をみがいているというのに、これは余りにも
呑気
(
のんき
)
な、時局認識に乏しい平家の有様であった。
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
孤君信長を
繞
(
めぐ
)
って
虎視眈々
(
こしたんたん
)
な一族がたくさんいた。それが、叔父だの兄弟だの身寄りだのという者だけに、
荊棘
(
けいきょく
)
を
拓
(
ひら
)
くのも、敵以上であった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
続いて飛付いたのは、
先刻
(
さっき
)
から
虎視眈々
(
こしたんたん
)
として、一座をねめ廻していた石原の利助、縁側へ飛出して、
曲者
(
くせもの
)
の後から欄干を越えようとする前へ
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
出奔
(
しゅっぽん
)
した前太子蒯聵は晋の力を借りて衛の西部に
潜入
(
せんにゅう
)
し
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と衛侯の位を窺う。これを
拒
(
こば
)
もうとする現衛侯出公は子。位を
奪
(
うば
)
おうと
狙
(
ねら
)
う者は父。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
はじめから、そのつもりで両方が
虎視眈々
(
こしたんたん
)
、何か「きっかけ」を作ろうとしてあがきもがいた
揚句
(
あげく
)
の果の、ぎごちないぶざまな
小細工
(
こざいく
)
に違いないのだ。
チャンス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
上平館
(
かみひらやかた
)
の一間からこの遊魂は、長浜の人里を慕うて下りて行かんとしてここまで漂うて来て、ここで暫く待機の姿勢をとって、そうして、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
として
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それにピッタリ当てはまっているのだから、神尾喬之助、
狂
(
くる
)
ったと見せて、狂ったどころか、内実は
虎視眈々
(
こしたんたん
)
、今にも、長
刃
(
じん
)
、
灯
(
ひ
)
を
割
(
さ
)
いて
飛来
(
ひらい
)
しそう……。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかるに忽ち足利
尊氏
(
たかうじ
)
、反骨を抱いて
虎視眈々
(
こしたんたん
)
、とうとう機を見て
反
(
そむ
)
き去り、ふたたび乱世戦国となったが、尊氏の最も恐れたのは、この書
倶係震卦教
(
ぐけいしんけきょう
)
だ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
血だ! ぷくぷくと黒い血が
沸
(
わ
)
いたよ牛の血が! 血は、見るみる砂に吸われて、苦悶の極、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と一時静止した牛が、悲鳴し怒号し哀泣し——が、許されっこない。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
然
(
しか
)
るに支那にしてもし今の状態を永く続けるならば、その間には
虎視眈々
(
こしたんたん
)
として、野心を
蔵
(
ぞう
)
し功名心を有する列強が、その機に乗じて種々なる暗中飛躍を試みることになるかも知れぬ。
日支親善策如何:――我輩の日支親善論
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
剣の立つ
逞
(
たくま
)
しい侍が五人一隊をなして、左膳からは乾雲丸を、栄三郎からは坤竜丸を取りあげんものと、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と暗中に策動しつつあるに相違ないのだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ですから武器、戦車、
囚人車
(
めしゅうどぐるま
)
など、
武庫
(
ぶこ
)
のうちに山と
蓄
(
たくわ
)
えておることからみても、たえず
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と、わが
水滸
(
すいこ
)
の要害を
窺
(
うかが
)
っているものとしか思われませぬ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お松は青くなって立ち
竦
(
すく
)
みます。後ろからは
虎視眈々
(
こしたんたん
)
たるガラッ八の眼。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかも都の北には、
西涼
(
せいりょう
)
の憂いがあるし、東には
劉表
(
りゅうひょう
)
、西には
張繍
(
ちょうしゅう
)
、おのおの、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と、この曹操が脚を失って征途につかれるのをうかがっているところだ……
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後ろからは八五郎の眼が
虎視眈々
(
こしたんたん
)
としております。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おそらく、伊賀方面も、
在所
(
ざいしょ
)
在所の郷武者まで、わき返っているのだろう。——そして北条方の者、宮方の者、おのおの
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と、
睨
(
ね
)
めあい出したにちがいない。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
英、仏、露、など諸外国の
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と日本の隙間を
窺
(
うかが
)
っていることを考えてみたら
慄然
(
りつぜん
)
としようが。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
参遠駿
(
さんえんすん
)
の自領に接続している甲信二州への
版図拡張
(
はんとかくちょう
)
は、長いあいだ彼の
虎視眈々
(
こしたんたん
)
のものであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうなると、ひそかに
虎視眈々
(
こしたんたん
)
としていた
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
も、いきおいかれのまえに
意地
(
いじ
)
を
突
(
つ
)
ッぱってはいられないので、
石川数正
(
いしかわかずまさ
)
を
戦捷
(
せんしょう
)
の使者に立てて
贈
(
おく
)
りものをしてくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに閣下の胸三寸にもおありでしょうが、要するに、関羽が油断しないのは、陸口の堺に、あなたのような呉でも随一といわれる将軍が
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と控えておるからです。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また幕府内でも、高時を
外
(
はず
)
せば、その執権の職には、一族みな
虎視眈々
(
こしたんたん
)
で、たちまち、内紛のおそれがあり、そのもつれは、今日までたびたび、くりかえしてきたのであった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「玄徳に二心はないかもしれません。しかし玄徳の幕下は皆、この蜀に
虎視眈々
(
こしたんたん
)
です。何とか口実を設けて今のうちに荊州軍を引き揚げさせるご工夫をなされては如何ですか」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尊氏の弟直義の一勢が、久原川の
洲
(
す
)
で
危殆
(
きたい
)
に陥ちたかたちなので——もし尊氏が、それの救援にうごいたら、ただちに、陣の側面を突いてやろうと、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
でいたものだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋島から兵庫港に上陸した西軍は、一ノ谷に城廓をかまえて、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
たるものがある。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「したが、火だねは絶えず、近ごろまたも、桜山につづいて、備前には
児島三郎高徳
(
こじまさぶろうたかのり
)
なる者が起り、瀬戸ノ海を隔てながらも大塔ノ宮、正成らと
款
(
かん
)
を通じ、
虎視眈々
(
こしたんたん
)
、機をうかがっておりますそうな」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
互いに
虎視眈々
(
こしたんたん
)
と境をせめぎあっていたのでもある。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
虎
常用漢字
中学
部首:⾌
8画
視
常用漢字
小6
部首:⾒
11画
眈
漢検1級
部首:⽬
9画
々
3画
“虎視眈”で始まる語句
虎視眈眈