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藁屑
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わらくづ
ふりがな文庫
“
藁屑
(
わらくづ
)” の例文
卯平
(
うへい
)
は
勘次
(
かんじ
)
との
間
(
あひだ
)
は
豫期
(
よき
)
して
居
(
ゐ
)
た
如
(
ごと
)
く
冷
(
ひやゝ
)
がではあつたが、
丁度
(
ちやうど
)
落付
(
おちつ
)
かない
藁屑
(
わらくづ
)
を
足
(
あし
)
で
掻
(
か
)
つ
拂
(
ぱ
)
いては
鷄
(
にはとり
)
が
到頭
(
たうとう
)
其
(
そ
)
の
巣
(
す
)
を
作
(
つく
)
るやうに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
玄関前に、
此間
(
このあひだ
)
引越のときに
解
(
ほど
)
いた
菰包
(
こもづゝみ
)
の
藁屑
(
わらくづ
)
がまだ
零
(
こぼ
)
れてゐた。
座敷
(
ざしき
)
へ
通
(
とほ
)
ると、平岡は机の
前
(
まへ
)
へ
坐
(
すは
)
つて、
長
(
なが
)
い
手紙
(
てがみ
)
を
書
(
か
)
き
掛
(
か
)
けてゐる所であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
我は既に魂等全く
掩
(
おほ
)
ひ
塞
(
ふさ
)
がれ玻璃の中なる
藁屑
(
わらくづ
)
の如く見え
透
(
す
)
ける處にゐたり(これを詩となすだに恐ろし) 一〇—一二
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
疊の合せ目に
藁屑
(
わらくづ
)
がハミ出してゐるのに氣が付くと、庄兵衞はニヤリとしたよ。それから、床下から出た瓶は新らしくて
梅干
(
うめぼし
)
の匂ひがすると言つたらう。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
南国の、あの黄ろい海へ向つて、この船は航路を持つてはゐないのだ。波止場は、乗船客や、荷運びの人夫で
犇
(
ひしめ
)
き立ち、桟橋は、
藁屑
(
わらくづ
)
や
木裂
(
きぎれ
)
や、林檎の皮が、散乱してゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
どこから持って来たか
藁屑
(
わらくづ
)
や髪の毛などを敷いて臨時に巣がつくられてゐました。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
やがて
彼等
(
かれら
)
は
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
の
藁屑
(
わらくづ
)
を
土間
(
どま
)
へ
掃
(
は
)
きおろしてそれから
交代
(
かうたい
)
に
風呂
(
ふろ
)
へ
這入
(
はひ
)
つた。お
品
(
しな
)
はそれを
見
(
み
)
ながら
默
(
だま
)
つて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「ひどい埃ぢやないか。念入りに
藁屑
(
わらくづ
)
まで飛び出してゐる、——氣の毒だがその疊を一枚あげて見てくれ」
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
冬
(
ふゆ
)
になると
霜柱
(
しもばしら
)
が
立
(
た
)
つので
庭
(
には
)
へはみんな
藁屑
(
わらくづ
)
だの
蕎麥幹
(
そばがら
)
だのが一
杯
(
ぱい
)
に
敷
(
し
)
かれる。それが
庭葢
(
にはぶた
)
である。
霜柱
(
しもばしら
)
が
庭
(
には
)
から
先
(
さき
)
の
桑畑
(
くはばたけ
)
にぐらり/\と
倒
(
たふ
)
れつゝある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
窓から入る明るい光線に
透
(
すか
)
かして、一枚々々疊を調べて居りましたが、丁度娘の床を敷いてゐたところの疊が、少しばかり喰ひ合せが
歪
(
ゆが
)
んだ上、
藁屑
(
わらくづ
)
らしいものがハミ出してゐるのを見ると
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
屑
漢検準1級
部首:⼫
10画
“藁”で始まる語句
藁
藁草履
藁葺
藁屋
藁屋根
藁沓
藁束
藁苞
藁人形
藁火