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老舖
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しにせ
ふりがな文庫
“
老舖
(
しにせ
)” の例文
新字:
老舗
老舖
(
しにせ
)
の御新造らしくなく派手なのが、今朝起きて見ると、母屋と土藏の間、三尺ほどの狹いところに、頭を打ち
碎
(
くだ
)
かれて死んでゐたといふのです。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お六櫛などをひさいでゐる
老舖
(
しにせ
)
などのある、古い家竝みの間をいいかげん歩いて、殆どもうその宿を出はづれようとしたとき、一軒、それを見るなり矢張あつたな、とおもつたやうな
炉辺
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
下町の
老舖
(
しにせ
)
の箱入娘や、廓の内所で育った娘なんかによくあんなのがある。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
自分の家の近くには深山といふ茶の
老舖
(
しにせ
)
があつて、そこから來るものは日頃わたしの口に適してゐるので、試みに買置きの深山を混ぜて見た。どうだらう、實に良い風味がそこから浮んで來た。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これが
所夫
(
をつと
)
と
仰
(
あふ
)
がれぬべく
定
(
さだ
)
まりたるは
天下
(
てんか
)
の
果報
(
くわはう
)
の
一人
(
ひとり
)
じめ
前生
(
ぜんしやう
)
の
功徳
(
くどく
)
いか
許
(
ばか
)
り
積
(
つ
)
みたるにかと
世
(
よ
)
にも
人
(
ひと
)
にも
羨
(
うらや
)
まるゝはさしなみの
隣町
(
となりまち
)
に
同商中
(
どうしやうちゆう
)
の
老舖
(
しにせ
)
と
知
(
し
)
られし
松澤儀右衞門
(
まつざはぎゑもん
)
が
一人息子
(
ひとりむすこ
)
に
芳之助
(
よしのすけ
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
優男
(
やさをとこ
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
「まア、物の
譬
(
たと
)
へで、——その女の子に惚れた野郎といふのは、——日本橋の呉服町に井筒屋といふ
老舖
(
しにせ
)
の
太物屋
(
ふとものや
)
のあることは親分も御存じですね」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
時
(
とき
)
なる
哉
(
かな
)
松澤
(
まつざは
)
はさる
歳
(
とし
)
商法上
(
しやうはふじやう
)
の
都合
(
つがふ
)
に
依
(
よ
)
り
新田
(
につた
)
より
一時
(
いちじ
)
借
(
か
)
り
入
(
い
)
れし
二千許
(
にせんばかり
)
の
金
(
かね
)
ことしは
既
(
すで
)
に
期限
(
きげん
)
ながら
一兩年
(
いちりやうねん
)
引
(
ひき
)
つゞきての
不景氣
(
ふけいき
)
に
流石
(
さすが
)
の
老舖
(
しにせ
)
も
手元
(
てもと
)
豐
(
ゆた
)
かならず
殊
(
こと
)
に
織元
(
おりもと
)
その
外
(
ほか
)
にも
仕拂
(
しはら
)
ふべき
金
(
かね
)
いと
多
(
おほ
)
ければ
新田
(
につた
)
は
親族
(
しんぞく
)
の
間柄
(
あひだがら
)
なり
且
(
かつ
)
は
是迄
(
これまで
)
我
(
わ
)
が
方
(
かた
)
より
立
(
たて
)
かへし
分
(
ぶん
)
も
少
(
すくな
)
からねばよもや
事情
(
じじやう
)
打
(
うち
)
あけて
延期
(
えんき
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこから表通りの要屋——海道筋の
老舖
(
しにせ
)
で、代々質兩替をやつてゐる店までは、ほんの一と走りだつたのです。
銭形平次捕物控:133 井戸の茶碗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
本所御船藏前の常陸屋といふのは、その頃水府の煙草を一手に
捌
(
さば
)
いた
老舖
(
しにせ
)
で、江戸中にも知られた店ですが、殺されたといふ主人の久左衞門はその時五十八歳。
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紋次郎は黒江町の呉服屋——山城屋の一人息子で、山城屋は番頭小僧の七八人も使つてゐる
老舖
(
しにせ
)
でした。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曾
(
かつ
)
ては向柳原の大きな雜穀問屋で、三四代續いた
老舖
(
しにせ
)
でしたが、主人の新兵衞がお今といふ女房があるのに、水本
賀奈女
(
かなめ
)
に夢中になり、一年ばかり一緒に住んでゐるうちに
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
界隈の
老舖
(
しにせ
)
で、古めかしく大きな家ですが、油、紅、白粉から、一切の化粧品、香料など賣つた油屋も、時世に遲れ勝ちで、何となくさびれて見えるのは是非もないことでした。
銭形平次捕物控:050 碁敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
老舖
(
しにせ
)
の佛具店で、
袈裟
(
けさ
)
法衣
(
ころも
)
、佛壇佛像から、大は釣鐘までも扱ひ、その上、役僧達の
金融
(
きんゆう
)
から、上野出入りの商人の取次まで引受けて、巨萬の身上を作つた下谷一番の大町人でした。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
舖
部首:⾆
15画
“老”で始まる語句
老
老人
老爺
老婆
老耄
老舗
老獪
老母
老婢
老女