炉辺ろへん
數年まへの春、木曾へ旅したときのこと。落ちつく先は、奈良井にしようか、藪原にしようか、とちよつと氣迷つたのち、——まづ、鳥居峠を越えて、藪原までいつてみた。いい旅籠でもあつたら、とおもひながら、お六櫛などをひさいでゐる老舖などのある、古い家 …
作品に特徴的な語句
老舖しにせ つぐみ
題名が同じ作品
炉辺 (新字旧仮名)堀辰雄 (著)