繁華はんくわ)” の例文
伊太利イタリーのさる繁華はんくわなるみなと宏大りつぱ商會しやうくわいてゝ、もつぱ貿易事業ぼうえきじげふゆだねてよし、おぼろながらにつたくのみ。
然りといへども繁華はんくわの日夜にましけるゆゑ少々つゞのうつたへはふん/\としてさらにやむことなしさればこそ奉行ぶぎやうは是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
東京にはいつて行く掘割は、それから一里ほどくだつた処にあつた。それは川口といふところで、和船で交通をする時分には、随分繁華はんくわな船着であつた。かなり聞えた料理屋も二三軒はあつた。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
あのづるへんわが故國ここくでは今頃いまごろさだめて、都大路みやこおほぢ繁華はんくわなるところより、深山みやまをくそま伏屋ふせやいたるまで、家々いへ/\戸々こゝまる國旗こくきひるがへして、御國みくにさかえいわつてことであらう。
もと播州ばんしうむろの津にいたりけり當所は繁華はんくわみなとにて名に聞えたるむろ早咲町はやざきまちなど遊女町いうぢよまちのきつらねて在ければ吾助は例の好色かうしよく者と言ひ懷中には二百兩の金もあり先此處にてつかれを慰めうつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さぐり若し引取ずんば其時は何をてなりとも繁華はんくわの江戸ゆゑ親子二人渡世とせいのならぬ事は有まじもしうんよく立身りつしんいたしなは今の難儀なんぎせしおもて見返みかへさん何は兎もあれ一先ひとまづ江戸へ出べしとて夫より世帶せたい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
伊太利イタリー繁華はんくわなるみなとといへば、此處こゝ國中こくちう隨一ずゐいち名港めいかう子ープルス、埠頭はとばから海岸通かいがんどうりへかけて商館しやうくわんかず幾百千いくひやくせん、もしや濱島はまじまこのみなとで、その商會しやうくわいとやらをいとなんでるのではあるまいかとおもうかんだので