筆屋ふでや)” の例文
いろいろのみせにまじって、一けんの筆屋ふでやがありました。おじいさんが、店先みせさきにすわってふとふでや、ほそふでをつくっていました。
山に雪光る (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あすこでござんすよ。あの筆屋ふでやまえから両替りょうがえ看板かんばんしたとおってゆく、あの頭巾ずきんをかぶった後姿うしろすがた。——」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
團子屋だんごや頓馬とんまたゞおかぬとうしほのやうにわきかへるさわぎ、筆屋ふでやのき掛提燈かけぢようちんもなくたゝきおとされて、つりらんぷあぶなし店先みせさき喧嘩けんくわなりませぬと女房にようぼうわめきもきかばこそ、人數にんず大凡おほよそ十四五にん
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よくできたと、学校がっこう先生せんせいからも、おとうさんからも、ほめられました。また、筆屋ふでやのおじいさんは、に、たましいがはいっていると、たいへんほめてくれました。
山に雪光る (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうもしやァしませんけれど、いまそこで、筆屋ふでやさんのくろがじゃれたもんだから。……」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
あとでいたとき直樣すぐさまかへしにかうとつたら、親父とつさんにあたまから小言こゞとつて其時そのとき泣寢入なきねいり一昨年おととしはそらね、おまへつてるとほ筆屋ふでやみせ表町おもてまち若衆わかいしゆ寄合よりあつ茶番ちやばんなにかやつたらう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
文字もんじけて人中ひとなかけつくゞりつ、筆屋ふでやみせへをどりめば、三五らう何時いつみせをば賣仕舞うりしまふて、腹掛はらがけのかくしへ若干金なにがしかをぢやらつかせ、弟妹おとうといもとひきつれつゝきなものをばなんでもへの大兄樣おあにいさん
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)