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空箱
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あきばこ
ふりがな文庫
“
空箱
(
あきばこ
)” の例文
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
ものの、ぼたん、ばらよりして、
缺摺鉢
(
かけすりばち
)
、たどんの
空箱
(
あきばこ
)
の
割長屋
(
わりながや
)
、
松葉
(
まつば
)
ぼたん、
唐辛子
(
たうがらし
)
に
至
(
いた
)
るまで
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
せば
節
(
ふし
)
になる。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それは
外
(
ほか
)
でもない。ホテルの裏口に積んであった
空箱
(
あきばこ
)
の山が崩れて、そのあたりは雪がふったように真白に、
木屑
(
きくず
)
が飛んでいることであった。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
男は、ほっとしたようにつぶやき、
麦
(
むぎ
)
わらや
空籠
(
あきかご
)
、
空箱
(
あきばこ
)
で、すっかり
部屋
(
へや
)
が
汚
(
よご
)
れてしまったのも、気かつかぬようだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
空箱
(
あきばこ
)
を寄せ集めて作ったのですから、でこぼこがあるのです。では、皆さま。わたしたち三人、これこそは正義の劇団。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その三つならんだ入口のいちばん
左側
(
ひだりがわ
)
には
空箱
(
あきばこ
)
に
紫
(
むらさき
)
いろのケールやアスパラガスが
植
(
う
)
えてあって小さな二つの
窓
(
まど
)
には
日覆
(
ひおお
)
いがおりたままになっていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
私の「趣味の蒐集」——巻煙草の
空箱
(
あきばこ
)
。見聞。「がいはくなちしき」。各国文明の長所。煤煙と塵埃。
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
健ちゃんは
空箱
(
あきばこ
)
の小さいのへ蛙を入れて、寝床へはいったより江の
枕元
(
まくらもと
)
へ持って行ってやりました。
蛙
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
が、玩具屋の店の中は——殊にこの玩具の
空箱
(
あきばこ
)
などを
無造作
(
むぞうさ
)
に積み上げた店の隅は日の暮の薄暗さと変りはない。保吉はここへ来た時に何か気味悪さに近いものを感じた。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あんまりこまかいので、チリリンヤはそれをリンゴの
空箱
(
あきばこ
)
にまとめて村を出ていった。道みち、いろんな用たしをしながら一本松までくると、リンゴの箱をそのままかついで歩きだした。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
大磯
(
おほいそ
)
近
(
ちか
)
くなつて
漸
(
やつ
)
と
諸君
(
しよくん
)
の
晝飯
(
ちうはん
)
が
了
(
をは
)
り、
自分
(
じぶん
)
は二
個
(
こ
)
の
空箱
(
あきばこ
)
の
一
(
ひとつ
)
には
笹葉
(
さゝつぱ
)
が
殘
(
のこ
)
り一には
煮肴
(
にざかな
)
の
汁
(
しる
)
の
痕
(
あと
)
だけが
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
奴
(
やつ
)
をかたづけて
腰掛
(
こしかけ
)
の
下
(
した
)
に
押込
(
おしこ
)
み、
老婦人
(
らうふじん
)
は三
個
(
こ
)
の
空箱
(
あきばこ
)
を
丁寧
(
ていねい
)
に
重
(
かさ
)
ねて
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは外国人がホテルへついて荷物を大きな荷造りの箱から出したその
空箱
(
あきばこ
)
がいくつも重ねてある場所であった。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
部屋の中に
空箱
(
あきばこ
)
のように風が沁みて行ったが、生きている喜びも何も感じられないほど、すべてが貧弱なもので、二
畳
(
じょう
)
と八畳きりの座敷の中には、この僕一人が道具らしい存在だ。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
どうです、これは、ちょっとした舞台でしょう? わしが
先刻
(
さっき
)
、
毛氈
(
もうせん
)
やら
空箱
(
あきばこ
)
やらを此の部屋に持ち込んで、こんな舞台を作ったのです。なあに、これくらいの舞台で充分に間に合いますよ。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
下宿の老婆を
煽
(
おだ
)
てて
家
(
うち
)
じゅうから買物の
空箱
(
あきばこ
)
やら、クリイニングから洋服を入れてくるボウル紙の箱や何かをありったけ徴収し、それへ手当り次第に放り込んだのを糸で縛ってタキシへ投げ入れ
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
その横には、水夫のラルサンがよいつぶれて、テーブルがわりの
空箱
(
あきばこ
)
に顔をおしつけたまま、なにやら文句の分らない歌を、豚のような声でうたっている。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
箱
常用漢字
小3
部首:⽵
15画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手