神樂かぐら)” の例文
新字:神楽
二丁目の茶屋新四郎へ行つて見ると、三輪みのわの萬七が、子分のお神樂かぐらの清吉をつれて早くも駈け付け、血眼の調べの眞つ最中でした。
みづ汲上くみあぐる釣瓶つるべおとはたおとかねこゑ神樂かぐらひゞき騷然さうぜん雜然ざつぜんげふこゑありてもくするはく、しよくおとありてきこえざるはきにいたれり。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかし「祭禮の節は不相變御厚情蒙あひかはらずごこうせいかうむ難有由時々申出候ありがたきよしじゞまうしいでそろ」と云つてあるから、江戸から神樂かぐらの笛を吹きに往く人であつたのではなからうか。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
その晩三輪の萬七は、子分のお神樂かぐらの清吉始め、多勢の下つ引を狩り出して怪盜いたち小僧を、向柳原の一角に追ひ込んでしまつたのです。
ちやるめらをく、さゝらをる、ベルらしたり、小太鼓こだいこつたり、宛然まるで神樂かぐらのやうなんですがね、うちおほきいから、とほくにきこえて、夜中よなかの、あのもののお囃子はやしたやうよ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
親分、三輪みのわの萬七の子分、お神樂かぐらの清吉だらうぢやないか。——手前てめえの親分の平次は、三輪の繩張を荒して、事毎に恥をかゝせやがる。
板戸の前には萬七の子分のお神樂かぐらの清吉が頑張つて居りますが、平次の顏を見ると、白い眼を見せながらも、そつと側に身を寄せます。
池田屋は三輪の萬七とその子分のお神樂かぐらの清吉が見張り、平次が頑張つて調べを續けると、氣拙きまづいことになりさうだつたのです。
變へて飛んで行く、お神樂かぐらの清吉の野郎が癪にさはつたんで。——それに千兩ありや、親分に何時まで貧乏させることはないし
「今朝友達に見せてゐるところを、運惡く城彈三郎殺しの下手人搜しに來て居る、お神樂かぐらの清吉に見られてしまつたんです」
三輪の萬七はさう言つて、お神樂かぐらの清吉を振向きました。何やら目くばせすると、苦い笑が二人の顏をニヤリと走ります。
番屋へ行つて見ると、お半はすつかり潮垂しほたれて、運命を待つ姿でした。その側で口書きを取つて居るのは、得意滿面の三輪の萬七、お神樂かぐらの清吉。
番所へ顏を出すと、三輪の萬七とお神樂かぐらの清吉は、自分達の手柄に陶醉して、すつかり好い機嫌になつてをりました。
「三輪の萬七親分は、お神樂かぐらの清吉をうんと働かせて、新助の身持と、越後屋へ入るまでの奉公先を洗つて居ますよ」
そして、お神樂かぐらの清吉の縛つた下女のお伊曾が許されて間もなく、散々叱られた上、家へ歸されたのは、平次に取つては珍らしい見込違ひだつたのです。
三輪の萬七とお神樂かぐらの清吉はプリプリして居りますが、與力の鑑識めがねですることへ、文句の付けやうもありません。
三輪の萬七とお神樂かぐらの清吉は、早くから來て頑張り、出入りをやかましくいひましたが、何分多勢の奉公人や客のことでもあり、半日でヘトヘトにつかれて
「又お神樂かぐらの清吉などに横合から飛出されちやしやくだ、今度はあつしの手柄にさしてくれまいか、錢形の——」
入谷へ行き着いたのは午過ひるすぎ、役人は歸つてしまつて、三輪の萬七とその子分のお神樂かぐらの清吉が、とむらひ客を睨め廻すやうに入口の一と間に陣取つて居りました。
「お願ひだ、親分、お粂を助けてやつて下さい、今日中に口書くちがきを取つて、八丁堀へ送ると、お神樂かぐらの清吉の野郎があつしの前でフヽンと鼻を鳴らしましたよ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
子分のお神樂かぐらの清吉を始め多勢の家の子郎黨を引きつれて扇屋の寮の内外を固め、重大事と聽いて驅けつけて來た、日頃扇屋出入りの有象無象は言ふまでもなく
ね、親分、相好ぐらゐは崩したくなりますよ。三輪の親分が風邪かぜを引いて寢込んだのはいゝが、繩張り内に起つたことのさばきがつかなくなつて、お神樂かぐらの野郎が泣きを
深刻になり行く騷ぎの中へ、ガラツ八を從へた錢形平次と、お神樂かぐらの清吉を從へた三輪みのわの萬七と、何と言ふことか、裏と表から、一緒に清川の敷居をまたいだのでした。
「あつしが親分を迎ひ行つてゐる間に、お神樂かぐらの清吉が來て、散々かき廻して行つたさうですよ」
三輪の萬七とその子分のお神樂かぐらの清吉、朝つから調べ疲れて、見當も付かずに居るところへ八五郎を迎へて、苦々しいとは思ひながらも、何となくホツとした樣子です。
主人次郎右衞門や奉公人達の立ち騷ぐ中を、三輪の萬七とお神樂かぐらの清吉が、得々としてお秀を縛つて行くのを、どうしてもこばみやうがなかつたのです。その時後ろから
萬七は夢中になつて飛び出すと、往來の方に見張つてゐる子分のお神樂かぐらの清吉に聲を掛けました。
その間に、丁度花火の人混みを見廻つてゐた三輪みのわの萬七と、お神樂かぐらの清吉が乘込んで來ました。
ニヤリニヤリと近づいたのは、萬七の子分で、ガラツ八と張り合つてゐるお神樂かぐらの清吉でした。
何處から飛出したか、お神樂かぐらの清吉、お杉の後に廻つて、その背を十手でピシリと叩きます。
お樂は恐る/\たるの呑口をひねつて、地酒といつても自慢のを一本、銅壺どうこへ投り込んで、早速のかんをすると、盆へ猪口ちよくを添へて、白痴こけがお神樂かぐらの眞似をする恰好で持つて出ます。
手柄爭ひにばかり沒頭ぼつとうしてゐる中年者の御用聞三輪みのわの萬七とその子分のお神樂かぐらの清吉が、三河屋の伜敬太郎に腰繩を打つて、追つたてるやうに番所の方へ行くではありませんか。
三輪の萬七の子分、お神樂かぐらの清吉が、そんな事をいひながら、人を散らして居ります。
が、物事はそんなうまい具合には行かず、錢形平次の代りに、事毎に平次と手柄爭ひをする、強引苛辣からつな岡つ引、三輪みのわの萬七親分が、子分のお神樂かぐらの清吉と共に乘込んで來ました。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
三輪の萬七親分が、お神樂かぐらの清吉をつれて來て、嫌がらせな調べを始めたんで、池田屋の旦那が、お願ひだから錢形の親分をつれて來てくれ。あの樣子ぢや三輪の親分は、店中の者を
三輪の萬七は中年者の太々ふて/″\しさをむき出しに、お神樂かぐらの清吉にあごをしやくるのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
三輪の萬七の子分、お神樂かぐらの清吉の苦り切つた顏とハタと逢つてしまつたのです。
油障子を開けると三輪の萬七が、銀張りの煙管を脂下やにさがりに、ニヤリニヤリしてゐるのです。その後ろには萬七の子分のお神樂かぐらの清吉が、若い女を一人引据ゑて、肩肘かたひぢを張つてをります。
後ろからはお神樂かぐらの清吉が、お茂お信二人の巡禮に繩を打つて引立てゝ居ります。
平次のうなづくのを見て、三輪の萬七とお神樂かぐらの清吉は歸つてしまひました。
「飯田町の小料理屋で、月の家の女房お鐵。それから神樂かぐら坂の茶屋女でお萬」
「千兩の褒美が怖いわけぢやあるめえ、お神樂かぐらの兄哥が見て笑つて居るぞ」
庫裡くりへ駈け込んで住職を引つ張り出すと、澁るのを無理に口説くどき落して、お神樂かぐらの清吉を寺社奉行役宅まで走らせました。新墓を掘り返す權力などは、寺も、遺族も、町方も持つては居ません。
後ろから顏を出したのは、何うしてぎ付けたか、三輪の萬七とお神樂かぐらの清吉。お品は『しまつた』と思ひましたが、今更病中の父親を連れて來るわけにも行かず、一人で氣をんで居ります。
「お神樂かぐらの清吉の野郎が、百足屋むかでや殺しの下手人げしゆにんを擧げて行きましたよ」
中年男の三輪みのわの萬七、續いてその子分のお神樂かぐら清吉せいきち、そして二三人の子分に守られて、繩付が二人、その一人は寶掘りの勸進元くわんじんもとで、よくない金儲けばかりやりたがる山の宿の喜三郎で、後の一人は
「何んにも嗅ぎ出したわけぢやないよ。不思議な手紙にさそはれて來たんだが——現に此處に何が起つたかも知らずに來て、お神樂かぐら兄哥あにいに、志賀屋の伜伊三郎とやらがどうかしたと始めて聽いた始末さ」
平次は喜三郎の繩尻を持つて居るお神樂かぐらの清吉にたづねました。
神樂かぐらの清吉その他、おびたゞしい子分をつれて乘込み
神樂かぐらの清吉は横合からくちばしを入れました。