申込まうしこ)” の例文
それゆゑだれかれききまゐなかに、可楽からくふ者があつて、これ櫛職人くししよくにんでござりましたが、いたつ口軽くちがる面白おもしろい人ゆゑ、わたくしも一つ飛入とびいり落語はなしをして見たいと申込まうしこんだ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ところが權官けんくわんに某といふ無法者むはふものが居て、雲飛の石のことをき、是非ぜひに百兩でひたいものだと申込まうしこんだ。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
此家こゝ嫁入よめいりせぬ以前いぜん、まだ小室こむろ養女やうぢよ實子じつしつたときに、いろ/\のひと世話せわをしてれて、種々いろ/\口々くち/″\申込まうしこんでれた、なかには海軍かいぐん潮田うしほだといふ立派りつぱかたもあつたし
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくし拳鬪けんとう仕合しあひはことはあるが、まだやつたことは一もない、しか申込まうしこまれてはをとこ意地いぢ、どうなるものかと一ばん立合たちあつてたがれぬわざ仕方しかたがない、散々さん/″\つて
左程さほど腕力わんりよくつよ日本人につぽんじんなら、一ばん拳鬪けんとうたち合ひをせぬか。』と申込まうしこんでた。
拳鬪けんとうのおれい眞劍勝負しんけんしやうぶでも申込まうしこんでれんかとまで腹立はらたつたのだが。