此娘このむすめ)” の例文
たらよろしく被仰おつしやつください、』とぼく眞實ほんたうにしないのでむすめだまつてわらつてた。おきぬ此娘このむすめ從姉妹いとこどうしなのである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さればこそひとたびたるはおどろかれふたゝたるはかしらやましく駿河臺するがだい杏雲堂きやううんだう其頃そのころ腦病患者なうびやうくわんじやおほかりしことひとつに此娘このむすめ原因もととは商人あきうどのする掛直かけねなるべけれどかく其美そのびあらそはれず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
送りける故平常つね/″\心安き得意とくいに付早速さつそく奧へしやう種々いろ/\饗應きやうおうなしけるが此の家の娘におもせといふは今年ことし十六歳にして器量きりやうも十人並にすぐれし故文右衞門は年若にて未だ妻もなき身なれば不※ふと此娘このむすめ執心しふしんなしひそかに文を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もすがら枕近まくらちかくにありて悄然しよんぼりとせし老人としより二人ふたりおもやう、何處どこやら寢顏ねがほところのあるやうなるは、此娘このむすめもし父母ちゝはゝにてはなきか、のそゝくさをとこはじめとして女中ぢよちゆうども一どう旦那樣だんなさま御新造樣ごしんぞさまへば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)