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案
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つくえ
ふりがな文庫
“
案
(
つくえ
)” の例文
幞頭角帯
(
ぼくとうかくたい
)
、
緋緑
(
ひりょく
)
の衣を着た判官が数人入ってきて何か言いはじめた。友仁は何を言うだろうと思って
案
(
つくえ
)
の下へ身を屈めて聞いていた。
富貴発跡司志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
王成は旅館へ帰ると金を
案
(
つくえ
)
の上へほうりだして、主人に思うだけ取れといったが主人は取らないで、食料だけの金を計算して取った。
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
少年の幽霊にも、自分の首を取って
案
(
つくえ
)
の上に置いているのがある。
膝
(
ひざ
)
の上に置いた自分の首の髪を
梳
(
す
)
いている幽霊は、お岩の髪梳きよりも一層ものすごいであろう。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
高潔婉麗の筆、高雅端壮の文、情義兼ね至り、読者をして或は粛然
襟
(
えり
)
を正さしめ、或は同情の涙を催さしめ、また或は一読三歎、
案
(
つくえ
)
を打って
快哉
(
かいさい
)
を叫ばしむるところもある。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
北欧では誓約に雷神トールの大槌ムジョルニルの名を
援
(
ひ
)
いてした。それが今日競売の約束固めに槌で
案
(
つくえ
)
を打つ訳である(一九一一年板ブリンケンベルグの『雷の兵器』六一頁)
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
曹操は、
几
(
つくえ
)
の上にひらいて、十遍あまり読み返していたが、どんと
拳
(
こぶし
)
で
案
(
つくえ
)
を叩きながら
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
頭分
(
かしらぶん
)
とみえる者は
紅
(
あか
)
い
冠
(
かんむり
)
をいただき、うす黄色の
袍
(
ほう
)
を着て、神坐の前にある
案
(
つくえ
)
に拠って着坐すると、その従者とおぼしきもの十余人はおのおの武器を執って、
階段
(
きざはし
)
の下に居列びました。
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ざまあ見ろ! と神尾が
案
(
つくえ
)
を打ちました。とうとう檻へブチこまれやがった、狂犬同様のやつだから是非もないが、三畳ではかわいそうだと、神尾主膳が小吉の身の上を笑止がって読みつづける。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
殿上の高い処に一人の王者が
冕
(
かんむり
)
を被り
袍
(
ほう
)
を著て
案
(
つくえ
)
に拠って坐っていた。その左右には吏員がおり、また鬼卒も控えていた。
令狐生冥夢録
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
王は
案
(
つくえ
)
の上の上奏文を取って竇の前に投げた。竇は
啓
(
あ
)
けて読んだ。それは
含香殿
(
がんこうでん
)
大学士
黒翼
(
こくよく
)
の上奏文であった。
蓮花公主
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
他
(
かれ
)
十二分の
標緻
(
きりょう
)
なしといえども持操貞確、
案
(
つくえ
)
を挙げて眉に
斉
(
ひと
)
しくした孟氏の
女
(
むすめ
)
、髪を売って夫を
資
(
たす
)
けた
明智
(
あけち
)
の室、筆を携えて渡しに走った大雅堂の妻もこのようであったかと思わるる。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この時に道庵先生が、また
案
(
つくえ
)
を打って、けたたましく叫びました
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、
案
(
つくえ
)
を打って賛同した。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱は判官の言うとおりに酒の瓶を
案
(
つくえ
)
の上に置き、走って往って家内の者に言いつけて
肴
(
さかな
)
をこしらえさせた。
陸判
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それにはその人の思うことをいってあったが、すこしもちがうということがなかった。成の細君は前の人がしたように銭を
案
(
つくえ
)
の上に置いて、香を焚いて
拝
(
おが
)
んだ。
促織
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
案
(
つくえ
)
によって微吟し、そぞろに
鬱懐
(
うっかい
)
をやるの
体
(
てい
)
。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
崑がかしこまってお辞儀をすると、叟は
旁
(
かたわら
)
の者に言いつけて、崑をおこして自分の
案
(
つくえ
)
の旁へ坐らした。
青蛙神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ある日朝早く書斎に入ってみると
案
(
つくえ
)
の上に
函書
(
てがみ
)
がのっかっていて、固く
封緘
(
ふうかん
)
をしてあった。そして函書には「
仲氏啓
(
おとうとひらく
)
」としてあった。よく見るとそれは兄の筆迹であった。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
そこで
案
(
つくえ
)
を一つ打って、すまし返りました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
家はそれほど広くはなかったが、
室
(
へや
)
という室にはそれぞれ錦の幕を
懸
(
か
)
けて、壁の上には古人の書画を多く掲げてあった。
案
(
つくえ
)
の上に一冊の書物があって標題を
瑯環瑣記
(
ろうかんさき
)
としてあった。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
羅は花城が好きになったので、木の実の皮をむく時わざと
案
(
つくえ
)
の下へ落して、
俯向
(
うつむ
)
いて拾うようなふうをして、そっとその
履
(
くつ
)
をつまんだ。花城は他の方を向いて笑って知らないふうをした。
翩翩
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
籬
(
かき
)
の下に紅い
巾
(
てふき
)
の落ちているのが見えた。陳は女の
何人
(
だれ
)
かが落して往ったのだろうと思って、喜んで袖の中に入れて、亭の中へあがって往った。そこには
案
(
つくえ
)
の上に硯や筆が備えてあった。
西湖主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
友仁はここは何を祷る所であろうかと思って、暗い中を透してみた。神像の前の
案
(
つくえ
)
に
富貴発跡司
(
ふうきはっせきし
)
と書いた
榜
(
ふだ
)
があった。友仁はこれこそ自分の尋ねているところだと思って、その前へ跪いた。
富貴発跡司志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
道士はその食物を
喫
(
く
)
って空になった鉢を
案
(
つくえ
)
の上に
覆
(
ふ
)
せて帰って往った。
緑衣人伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“案”の意味
《名詞》
考え。
原案。
予想。
(出典:Wiktionary)
案
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
“案”を含む語句
案山子
案内
案内者
水先案内
思案
考案
山案内
案外
道案内
引込思案
飜案
几案
妙案
案内人
路案内
思案外史
案主
物案
案出
妥協案
...