本屋ほんや)” の例文
ねえやの田舎いなかは、山奥やまおくのさびしいむらです。まちがなかなかとおいので、子供こどもたちは本屋ほんやへいって雑誌ざっしるということも、めったにありません。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうして、彼が一代に作った田産と、豊田郡とよたぐんの一丘をぼくして建てた柵、本屋ほんやしき、物倉ものぐら外曲輪そとぐるわなどの宏大な住居は、親類中の羨望の的であった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただひとりその中に町はずれの本屋ほんや主人しゅじんましたが山男の無暗むやみにしかつめらしいのを見て思わずにやりとしました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
本屋ほんやまへとほると、屹度きつとなか這入はいつてたくなつたり、なか這入はいるとかならなにしくなつたりするのは、宗助そうすけからふと、すで一昔ひとむかまへ生活せいくわつである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
本屋ほんやの二かいで、学校がっこうごっこをやっていたのさ、ぼくは、算術さんじゅつが七てんで、かたが八てんで、三ばんだ。えらいだろう。」と、しょうちゃんは、いいました。
ねことおしるこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
さ来年はみんなぼくらのようになってまた新入生をわらう。そうかんがえると何だかへんな気がする。伊藤君いとうくんと行って本屋ほんやへ教科書を九さつだけとっておいてもらうようにたのんでおいた。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
きんさんは、その遺言ゆいごんまもって、本屋ほんや小僧こぞうさんとなり、よく辛棒しんぼうをしました。そして、一にんまえになってから、ちいさなみせったのであります。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのばんでありました。仕事しごとからかえったおかあさんが、りょうちゃんをつれて本屋ほんやさんへやってきました。りょうちゃんのかおには、いたあとがあって、昼間ひるまあたえた絵本えほんいています。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
本屋ほんやにもあれば、かど文房具屋ぶんぼうぐやにだってあるだろう。」
気にいらない鉛筆 (新字新仮名) / 小川未明(著)