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ばっし
ふりがな文庫
“
末子
(
ばっし
)” の例文
赤い
碁盤縞
(
ごばんじま
)
のフロックを着た先生の
末子
(
ばっし
)
が
愛想
(
あいそ
)
に出て来たが、うっかり
放屁
(
ほうひ
)
したので、学生がドッと笑い出した。其子が泣き出した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
将楽
(
しょうらく
)
県の
李誕
(
りたん
)
という者の家には男の子が一人もなくて、女の子ばかりが六人ともにつつがなく成長し、
末子
(
ばっし
)
の名を
寄
(
き
)
といった。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
積年の病
終
(
つい
)
に医する
能
(
あた
)
わず、
末子
(
ばっし
)
千秋
(
ちあき
)
の
出生
(
しゅっしょう
)
と同時に、人事不省に
陥
(
おちい
)
りて終に
起
(
た
)
たず、三十六歳を
一期
(
いちご
)
として、そのまま
永
(
なが
)
の別れとなりぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
おもながの、気品の高い
相貌
(
そうぼう
)
で、いかにも政宗の
末子
(
ばっし
)
らしく、その
眉間
(
びかん
)
には威厳のあるするどさと、ねばり強い剛毅な性格があらわれていた。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
末子
(
ばっし
)
のチンコッきりおじさんが家督をついだ時分には、もうそんな、
放蕩児
(
ほうとうじ
)
なぞ気にかけていられない世の
忙
(
せわ
)
しさだった。
旧聞日本橋:13 お墓のすげかえ
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
末子
(
ばっし
)
で独身のボヘミアンの彼は日本という海図上の一列島に何らの執着をも感じ得なかった。十一
浬四分一
(
ノット・クオタア
)
の
汽力
(
スチイム
)
で船は土佐沖に差掛っているらしかった。
上海された男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
勝頼
(
かつより
)
の
末子
(
ばっし
)
伊那丸
(
いなまる
)
が、まだ
快川
(
かいせん
)
のふところにかくまわれているという事実をかぎつけて、いちはやく本陣へ急報したため、すわ、それ
逃
(
の
)
がしてはと、二千の
軍兵
(
ぐんぴょう
)
は
砂塵
(
さじん
)
をまいて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信州
諏訪湖
(
すわこ
)
の附近の例は、
目下
(
もっか
)
中川・塩田の二君が調査しておられるが、是も手順はまったく同じで、
只
(
ただ
)
最後の
末子
(
ばっし
)
が家に留まり、そのまま住宅を相続した点がちがうのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
兄弟五人、総領の兄の次に女の子が三人、私は
末子
(
ばっし
)
。私の生れたのは天保五年十二月十二日、父四十三歳、母三十一歳の時の誕生です。ソレカラ天保七年六月、父が不幸にして病死。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
伊豆
(
いず
)
の国には
流人
(
るにん
)
前右兵衛佐頼朝
(
さきのうひょうえのすけよりとも
)
、
常陸
(
ひたち
)
には
信太三郎先生義憲
(
しだのさぶろうせんじょうよしのり
)
、
佐竹冠者昌義
(
さたけのかんじゃまさよし
)
、その子の太郎忠義、三郎義宗、四郎高義、五郎義季、陸奥には故
左馬頭義朝
(
さまのかみよしとも
)
の
末子
(
ばっし
)
、
九郎冠者義経
(
くろうかんじゃよしつね
)
など。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
ようよう六歳になる
末子
(
ばっし
)
の初五郎は、これも黙って役人の顔を見たが、「お前はどうじゃ、死ぬるのか」と問われて、活発にかぶりを振った。書院の人々は覚えず、それを見てほほえんだ。
最後の一句
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一人の
末子
(
ばっし
)
を
対手
(
あいて
)
に一人の老僕に家事を任かして。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「うん、
佐馬頭義朝
(
さまのかみよしとも
)
の
末子
(
ばっし
)
だ。お
前
(
まえ
)
はだれだ。」
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
五人の子のうちで
末子
(
ばっし
)
は姿も心もすぐれていて、この子が生まれてからは、その家がだんだんに都合がよくなって、百姓仕事も繁栄にむかい、家計もいよいよ豊かになったので
中国怪奇小説集:08 録異記(五代)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
杯をグイと干して、大夫さんの命に従い一番好いた人に上げます、ソレ
高
(
たか
)
さん、と
云
(
いっ
)
て杯をさしたのは、六、七歳ばかりの寺の
末子
(
ばっし
)
で、私が
瀉蛙々々
(
しゃあしゃあ
)
として
笑
(
わらっ
)
て居たから家老殿も興にならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「秀次。お
許
(
もと
)
はな、兵をまとめて、明日から大垣の留守番にゆけ。大垣の家中は
傷手
(
いたで
)
も多く、残った老母や女房どものほか、三左衛門
輝政
(
てるまさ
)
と、
末子
(
ばっし
)
の
長吉
(
ながよし
)
だけでは、守備もさびしかろうほどに」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
祐道が長男で、その次に女ひとり、男ひとり、お近は
末子
(
ばっし
)
の四人
兄妹
(
きょうだい
)
であったが、幼年のころに両親に死に別れて、皆それぞれ
艱苦
(
かんく
)
を
嘗
(
な
)
めた。なかの男と女は早く死んで、祐道とお近だけが残った。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“末子”の意味
《名詞》
末子(まっし、ばっし)
複数いる子供のうち一番末の子供。末っ子。
(出典:Wiktionary)
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“末”で始まる語句
末
末期
末裔
末枯
末世
末梢
末路
末席
末代
末始終